涼しくなった
八百屋さんの店頭の果物の並びが変わった
街なかでモンブランが目に付くようになった
蝉の声がなくなり、鈴虫の声が聞こえ始めた
秋の訪れを察知するのは簡単で、だけどお洋服のチョイスは難しくて。
ネイルやリップの色ももう少し落ち着けたくなる、私の好きな季節。
この季節特有のワクワクした感じが好きなのはあなたのおかげ。
もう会うことはないけれど。
今どこにいますか?
美味しいりんごでも食べていますか?
アップルパイを焼きながら、今年もあなたを思い浮かべてしまった。
「秋の訪れ」
家の外にでなければ旅ではないと思っていたけれど、それは違うということに気がつけたのはパンデミックから学べた数少ないメリットだと思う。
書物から、映画から、芸術から、家から一歩も出なくても旅はできる。
旅するためには体力も財力も必要だから働いているけれど、一生遊んで暮らせる体力と財力があったなら、私はまず家を解約し、泊まりたいところに泊まり、読みたい本を読み、みたい映画を観て、様々な芸術に触れながら行きていきたい。
だけどそれは夢のまた夢。次の有休計画と、行きたい場所を選びながら、今日も本屋で読みたい本に出会ってしまう。
こうして生きている限り旅は続くのだろうと思う。
「旅は続く」
人生を映画に例えるとしたら私の人生はモノクロ。
他の子はカラーなのに、人生真っ暗な私はモノクロ。
歩いても歩いても光なんてない。
本当に真っ暗な人生。
だけどね、憧れのアーティストが言ってた。
光って、影がないと描けないんです。
だいぶ人より多く影をみている私が描ける光ってなんだろう。
もしかしたら、カラーには出せない味がモノクロにはあるのかも。
辛かった過去は変えられないし、カラーの子のような過去は歩めないけど、モノクロの映画をハッピーエンドにするなら、きっとなれるよね。
「モノクロ」
ずっと続いてほしいと思うことはエゴなのか。
何時間も泣き続けた我が子をそっとベッドに寝かせると、思う。
しばらく起きないでほしい。
このしばらくは果たして何分?何時間?
すやすやと穏やかに眠るあなたは幸せそのもの。
ずっと腕の中で私が守ってあげたい。
けれども子どもは大きくなる。
ずっとこんな大きさではいてくれないし、ずっとこのようにただ起きてミルクを飲み、また寝るだけの生活ではない。
何より何時間も泣き続けるあなたに、心身ともにまいりそうなこともある。
だけど、この穏やかな寝顔がずっとずっと永遠に変わりませんように。
そう願いたくなることがある。
永遠なんて、ないけれど
過去の私は言った。
思う存分に悲しい気持ちに浸って、泣くといいよ。泣けなくなるくらい泣いたら、しばらく泣けなくなるよ。そして次に泣けるときは、うれし涙のはずだから。
これは24歳に私が一生分泣いたと豪語できるくらい泣き、本当に27歳まで泣かなかった経験からくるアドバイスだった。27歳でなぜ泣いたかって?
結婚式を挙げました。
「涙の理由」