憧れの君はとても澄んだ瞳をしていた。
まるで自分の考えてることが見透かされてるような。
心を読める人なんて実際にはいない事はわかっているのに、まるで自分の考えを見透かされてるようでドキドキしてしまう。
君のことが好きなのも、その澄んだ瞳を通せば伝わってしまうのではないかとすら考えてしまう。
どうかこの想いだけは見透かされませんように。
嵐が来ようとも、
自分の意思を強く持って。
その意志の強さが絶対に役に立つときがくるから。
今日はお祭りだ。
色とりどりの浴衣を着た人たちがたくさんいる中で、
一際目を引く存在が僕の隣にいた。
僕の彼女だ。
僕たちとすれ違う人から『わぁ、あの女の人キレイ…』という声が聞こえてくる。
彼女はそれを気にする様子はなく隣でさっき買ったりんご飴を美味しそうに食べている。
『んー?どうしたの?りんご飴食べたい?』
笑顔で彼女が聞いてくる。
『ううん。僕は大丈夫だから食べなよ』と彼女に言った。
『そう?』と言いながら彼女はまたりんご飴を食べ始めた。
一瞬僕が彼女に見惚れているのが気付かれたのかと思った。
でもこの時間がもう少し続いてほしいと思った気持ちは本物だ。
神様が舞い降りてきて、こう言った。
『もっと自分を大切にして、気楽に生きてごらん。』と。
もう何十年も前から自分の気持ちを隠して生きてきた。
ずっと人の意見を尊重して、人の意見を優先して。
でもある日、限界が来てしまった。
人の意見を尊重したり、優先したりするのは素晴らしいことだが、悪く言えば自分を苦しめてしまうことになる。
だから神様はこの言葉を自分に言ったのだろう。
自分でわかってたつもりだけど、
やっぱり神様が言うと言葉の重みが違うな。
『自分を大切にして、気楽に生きる』っていうのは一人一人違うだろうから、私らしい生き方を見つけていこう。