望月風花

Open App

今日はお祭りだ。
色とりどりの浴衣を着た人たちがたくさんいる中で、
一際目を引く存在が僕の隣にいた。
僕の彼女だ。

僕たちとすれ違う人から『わぁ、あの女の人キレイ…』という声が聞こえてくる。

彼女はそれを気にする様子はなく隣でさっき買ったりんご飴を美味しそうに食べている。

『んー?どうしたの?りんご飴食べたい?』
笑顔で彼女が聞いてくる。

『ううん。僕は大丈夫だから食べなよ』と彼女に言った。

『そう?』と言いながら彼女はまたりんご飴を食べ始めた。

一瞬僕が彼女に見惚れているのが気付かれたのかと思った。
でもこの時間がもう少し続いてほしいと思った気持ちは本物だ。

7/28/2024, 10:11:41 AM