仕事の帰りに、コンビニで買い物しようとしてたところにあの子からLINEが来てさ
足をくじいて動けないから迎えに来てって言うんだ
遊び慣れてる感じだし、試されてるのかなって思ったけど、行ったよ
ちょっと好きだったし
そしたらホントにヒールの足首を腫らしてて
「ありがとう」って泣きそうな顔で言われて、部屋までタクシーで送ったんだ
「お茶でも飲んで行って」って言われて、タクシーを帰したところで男が駆け寄って来てさ
どうやら彼氏と痴話ゲンカしたらしくて、「ゴメン、俺が悪かった」とか言って、僕の目の前で仲直りしちゃってさ
その後、最寄りの駅まで歩いて帰ったんだせ
まったく…
目が覚めるたび、君がもういないことを思い出して悲しくなる
今年はもうヒマワリが咲いたよ
君は、ヒマワリは人みたいでちょっと苦手って言っていたね
僕もヒマワリは苦手だな
見るたびに、あの日の君を思い出して辛くなるから
明日、目が覚めたとき、君がそばにいてくれたらいいのに
いや、僕が君のところへ行くよ、今から
いや、僕は自分から告白なんてしないよ
もちろん、僕がする前にむこうからしてくるからとかいう話じゃない
僕に告白する物好きなんかいないって
好きな人はいるけどさ、告白して、その後どうすればいいの?
そもそも断られたらどうすればいいの?
百万年くらい落ち込んで、立ち直れなくなっちゃうよ
意気地無しって言われても、それが僕のデフォルトだもん
最近はずっと部屋にこもってたから、ネオンを見るのは久しぶりだな
実はお酒を飲むのも久しぶり
でもよかった
君とお近づきになれて
たまにはこういうのもいいね
君も楽しんでくれたならよかった
またときどき、こんなふうに他愛ない話をしながらおいしいお酒を飲みたいね
たとえ会えるのが一年に一度でも、牽牛と織女は両思いだからうらやましいっていうか
僕なんて片思いだから、いつか会えるんだかどうだか
相手は、多分僕のことなんか眼中にないんじゃないかな
君は?
片思いどころか好きな人もいないって?
家と会社を往復するだけの毎日か
それもさみしいね
じゃあさ、さみしい者同士、これから飲みに行く?