大好きな、祖父。
別にどこに行かなくても、大して遊べなくても、
その背中を見ているのが大好きだった。
いつも、機械油の臭いがして、手は真っ黒。
「おじい!ご飯だよぉ〜!」
「ほら、早く手洗ってきてよ!ご飯食べよ!」
いつもと変わらない会話。
「こうやってなぁ、空気漏れてないか確かめんだぞ。」
ふーんって思ってたなぁ。
いつかはいなくなる。もう会えなくなる。
んなこと、わかってるって、そう思ってた。
そんなことなかった。
いつも別れは突然なんだ。
あれは、就活に勤しんでいた3月。もうすぐ決まる。
そんな日だった。
親友と電話で盛り上がっていた。
もし、こうなるとわかっていたら、自分は何かできたのだろうか。
いや、きっと何もできなかった。今だって無力なままだ。
天命には逆らえない。わかってたはずだったのに。
人間、その時何かしようったって、意識してなきゃそんなこと出来ない。その後悔で今もいっぱいだ。だって、、、
『どんなに求めても、どんなに願っても、2度と会えない。』
きっと私はあの3週間を忘れることはない。いつまでも。
そして、祖父との記憶もいつまでも、いつまでも忘れない。
一年後、、、
この世界はどうなっているのだろう。
互いに憎み合う世界など、消えて無くなっているだろうか。
それとも何も変わらないのだろうか。
もしも、喜び、幸せ、平和に満ちた未来があるのだとしたら、
それが、誰にも必ず訪れる未来であってほしい。
初恋の日。
そんなの、もう忘れた過去だよ。
明日世界がなくなるとしたら、、、
私は、あたりまえを願おう。
当たり前が当たり前であることが、
どれだけ難しいか知っているから。
当たり前が当たり前であることが、
どんなに願っても手に入らない現実を知っているから。
当たり前だった日々が、もう帰ってこないことを知っているから。
この仕事に出会って、13年になる。
小学生の頃は、全く理解できなかった仕事。
誰かが目指そうとした仕事。
生涯をかけて、やろうとした仕事。
それが私の仕事。
君に出会わなければ、こんな苦労することはなかった、こんなに悲しい思いをすることもなかった。
けど、こんなにやりがいのある仕事はない。そう感じたんだ。
改めて、出会ってくれてありがとう。
これからもよろしく。