大好きな、祖父。
別にどこに行かなくても、大して遊べなくても、
その背中を見ているのが大好きだった。
いつも、機械油の臭いがして、手は真っ黒。
「おじい!ご飯だよぉ〜!」
「ほら、早く手洗ってきてよ!ご飯食べよ!」
いつもと変わらない会話。
「こうやってなぁ、空気漏れてないか確かめんだぞ。」
ふーんって思ってたなぁ。
いつかはいなくなる。もう会えなくなる。
んなこと、わかってるって、そう思ってた。
そんなことなかった。
いつも別れは突然なんだ。
あれは、就活に勤しんでいた3月。もうすぐ決まる。
そんな日だった。
親友と電話で盛り上がっていた。
もし、こうなるとわかっていたら、自分は何かできたのだろうか。
いや、きっと何もできなかった。今だって無力なままだ。
天命には逆らえない。わかってたはずだったのに。
人間、その時何かしようったって、意識してなきゃそんなこと出来ない。その後悔で今もいっぱいだ。だって、、、
『どんなに求めても、どんなに願っても、2度と会えない。』
きっと私はあの3週間を忘れることはない。いつまでも。
そして、祖父との記憶もいつまでも、いつまでも忘れない。
5/9/2022, 3:58:04 PM