まるで修行中

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10/29/2023, 2:58:28 PM

疲れていた
猛烈に
もう一つの物語を
期待し想像し
疲れた魂を
そのもう一つの可能性に賭けてみたかった
これすら存在するのかわからないのに
もう一つ物語があると思っていたんだ





「もう一つの物語」

10/28/2023, 11:30:31 AM


帰宅途中の暗がりの中で拾ったのは君の尻尾だった
私の元を飛び出し人になった君の
きっとどこかで
新しい愛を温め合っているのだろう
途方に暮れる私は
これをどこかに捨てるだろう
きっと






「暗がりの中で」

10/25/2023, 2:36:34 AM

漠然と
ただ漠然としたこの感情は
誰に向けているのかさえわからない
ふと口についただけの言葉かもしれないのに
どうしようもなく纏わりつく感情は
いつしか染みついて
内側からじわじわと私を侵食する
行かないで
どうして
どこに
誰が
私が
漠然としたこの不安を
苦しんでいるのか楽しんでいるのか
わからないけれど
行くということは消えること
今からここから消えること
消えるは無限
消えるは不思議
行かないで、の呪縛




「行かないで」

10/23/2023, 12:54:36 PM

空の表面だけをなぞるように
眺めていると
ほら
どこまでも空は青く続いている
丸い丸い空は
地面の中のコアに
必死にしがみついている私と同じだろうか
助けて
ほんの隙間から逃げ出すしかないの
涙も吐息も
ぐるぐると螺旋の中で揉まれ続ける




「どこまでも続く青い空」

10/23/2023, 9:33:15 AM

「あ、もう衣替えか」
という季節感がなくなってきたこの頃、昔を顧みると、10月1日には、一斉に冬服姿で登校していた。
今では、夏でも長袖のブラウスを着て袖をまくっている生徒を見かける。
セーターを着ている生徒もいる。
教室には冷房が効いているから、とか、ファッションとして格好いいからとか、様々な理由があるらしい。
自由。
個性。
個人差、ということだろうか。
テレビなどで流れる天気予報で気温と、服装指数なるものも確認する。
男は世間の変わり様に時の流れを感じた。
ふーう、と長くため息をついた。
いつからだろうか。
寒さも暑さも、体温すら感じなくなったのは。
それと同時に誰からも気づかれなくなった。
「俺はここにいるのに」
人肌の恋しさは日に日に増すばかりだ。
ある日、デパートのトイレに入り手を洗った。
その時にふと鏡の中の自分に触れた。
それからだ。
どうやら俺は鏡と入れ替わってしまったようだ。
今まで他人に興味を持つことはなかった。
それなのに、今ではいつでも他人を見なければならない。
自分の姿を様々な感情で見つめているところは、見られたくないだろうなあ。
俺は嫌だ。
目をそらしながら、ちらりといろんな顔を見る。
少しでも温もりが欲しい。
誰でもいい、気づいてくれないだろうかと毎日、願っている。





「衣替え」

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