急に暑くなったから、半袖出せなかったよ。
そう言って羽織ったカーディガンの袖をまくる君。

毎年、君はもっと暑くなっても、必ず一枚長袖を羽織っている。
寒がりのくせに、いつも半袖の僕に貸せるように。
だから、今年は自分で調整出来るよう、一枚買ったんだ。

でも、冷房で冷えた肌には君の温もりが、余計にあったかくてホッとするんだよなぁ。

天国と地獄。天と地。
相反するもの。同じもの。
それすらも、立場で変わってしまうと言うならば。

ここは一体、どちらなんだろう？

君が月に願いをかけるのなら、何にする？　三日月？　半月？　それともやっぱり、満月？
迷っているなら、たまには新月なんてどうかな。

止まない雨はない、と言うけれど。止まない世界があっても、いいんじゃないかな。全てを水が流す世界、それも面白そう。
でも、気をつけて。大事なものも一緒に、流してしまわないように。

"昨日"にはお別れして、"明日"には出会う……なら、"今日"は誰にも会えないひとりぼっちになるのかな。