夢を描け
将来の夢は、大きければ大きいほどいい。
例えば、サッカー選手になりたいと思って必死にサッカーに取り組む。頑張って頑張って、海外で勉強できることになったとしよう。だが、怪我を負ってしまって選手寿命が途絶えてしまう。
この後、サッカーを教える側として前とは違う形でサッカーに関わるとする。
何年か経った後、海外で暮らしていたという経験を活かして英語の教師として今は生きている。
そんな人がいた。
木零れ日
ギラギラと輝く太陽から逃げるように木陰に入った。
温暖化のせいで最近の夏は特に暑い気がする。
暑いし、汗かくし、食べ物はすぐ痛むし、日焼け痛いし、寝苦しくてよく悪夢を見るし、暑いし、暑い……
やっぱり、どうも夏は好きになれそうにない。
「……はぁ」
ふと、上を向くと、みずみずしい枝葉から差し込む太陽の光が視界いっぱいに入る。
……夏がほんの少しだけ好きになった。
ラブソング
バスの中。
少しヤンチャそうな男の子が、途中で乗り込んで来た。
丁度空いていた、私の前の席に座った彼は、ヘッドホンを耳にかけ、スマホを操作する。
彼はどんな曲を聴くのだろう。
やっぱり激しめのバンドの曲……?
失礼ながら見た目から、なんとなく想像を膨らませていると、微かに聞こえてくる音色。
音漏れなのだろうか。
ポップで可愛らしいそれは、愛を唄ったもののようだ。
そして、それは聞き間違いじゃなければ、私のすぐ前から聞こえる。
えっ、、この子が……?
「……なにそれ、可愛い…」と、声に出さなかった私を誰が褒めてほしい。
手紙を開くと
日が落ちてきて、若干暗い帰り道。
いつものようにポストを確認すると、そこには〇〇さんへと、私の名前だけが書かれた真っ白な封筒が入っていた。「変なの」と思いながらも、その場でのり付けされた封筒を慎重に開ける。
どうやら、これは私宛の手紙らしい。
二つ折りにされたそれを開いて中身を確認していく。
[〇〇へ
元気にしていますか。近々、挨拶に行くと思うので楽しみにしていてください。
——戻ってきた渡り鳥より]
「ふふ……部屋、きちんと片付けておかないと」
今年もこの季節やってきた。