正直に言うとね
私そんなに出来た人間じゃないんです。
いつも時間に追われているし
やることはギリギリまで終わらないし
すぐに落ち込んで泣いちゃうの。
貴方が思うほど強くはないよ。
私のこと何も知らなかったのね。
でもね
正直に言うとね
貴方のこともほとんど知らないんです。
器用な人だと思っていた。
人付き合いが上手くて
友達が多くて
毎日楽しそうだな、と。
本当は違ったのかもね。
あのね
正直に言うとね
貴方を忘れられそうにないんです。
未練がましいと
笑ってくれてかまわないから
もっと一緒にいたかったの。
「正直」
雨は好きじゃない。
梅雨が明けたら夏が来るけど
暑いのもあまり好きじゃない。
6月って、憂鬱なんだ。
それでも
雨が降ると聞きたくなる曲があって。
梅雨の季節に
これ以上似合う曲はないから。
雨が降ったら「Rain」を聞く。
どしゃぶりでもかまわない。
「梅雨」
何度自分に
「ごめんね」と謝っただろう。
不器用でごめんね。
よく転んじゃってごめんね。
たくさん泣いてごめんね。
きっと中身が私じゃなかったら
もっと幸せになれたはず。
たくさんの人に愛されたはず。
自分のことは好きじゃないし
好きになれる日が来るかも分からない。
それでも
頑張った自分に
「おつかれさま」と
美味しいものとか、好きなものとか
ご褒美をあげる。
私だけは優しくしてあげる。
だから「頑張れ」
頑張ってこの世界を生き抜いて。
「ごめんね」
初めて半袖で外に出た。
今季、はじめて。
半袖ってあまり得意じゃなくて。
何か1枚羽織っていたくて。
それでも初夏の風は
気持ちよく通り過ぎていくから。
空の雲は
もう夏のかたちをしているから。
もっと私に夏を教えて。
「半袖」
辛かったね。
やる気が起きなくて
誰の役にも立てなくて
助けられてばかりで
自分が嫌いで
器用なあの子が羨ましくて
変わりたくても変われない。
先の見えない未来が不安。
自分がちゃんと生きていけるか心配。
それなのに時間は飛ぶように過ぎていくの。
たまらなく怖い。
それでも
いつかの先の見えない未来に
今、立っているわけで。
保証はできないけど
未来なんて分からないけど
大丈夫だよ。
「あの頃の私へ」