生きる希望を失った、たった今
10年後の私から届いた手紙が
きた、、、、
えぇ、、。こっわぁ。、
って思いもしたけど
気になって仕方が無いので
中を見てみた。
半信半疑だった。だったはずなのに、、
手紙には私しか知らないことが
たくさん書いてあった、、。
こりゃぁ、本物だぁ、。
私は、もっと読み進める。
そして、最後の文には
こう書いてあった。
私は元気だよ!!
っ!!
私はこの言葉で泣き崩れた。
大きな声で泣いた。
でもね。これは
悲しい涙じゃないの。
嬉しくて嬉しいがたくさんの
涙だったの。
だって私の寿命は
あと1年もなかったんだから。
10年後の自分なんて
存在しないはずなのに
生きてる!!
しかも元気。
ああ、私
まだ生きていけるんだね。
私はもう一度
生きる希望を拾い上げた。
私は生きるんだ。
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10年後。
私は不可能と言われていた生きることを
なしとげたのだ。
私は、すぐに手紙を買って
手紙を書く。
10年後の私から
10年前の貴方へ。
バレンタイン。
僕もほしーなぁー。ほしいな
でもご主人様から貰おうとすると、
めっちゃ怒られちゃう。
あーあ。食べてみたいなぁ。
人生で1度は、
食べてみたかった。
でもなぁー。もう時間かなぁー。
僕、病気だし。しょうがないかぁ。
ああ、人生で1度は食べたかったチョコ。
ねぇ。ご主人様、
泣かないで。
僕はチョコが食べたいな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ご主人様!!今日はあの日だよね!!
ご主人様は、僕の写真を撫でながら
ご主人様の手作りチョコをくれた。
嬉しいな。嬉しいなぁ。
もう触れることも出来ない。
見てもらえることも出来ない。
そんなご主人様のほほに
しっぽをふりながら
ぺろっとなめる。
そして、
ありがとうって
嬉しいよって
たくさんの気持ちを
たくさん込めて、
こういうの。
【⠀ワン!!⠀】
ってね。
待ってて。
今行くよ。
でも少し時間はかかるかも。
だから、それまでは。
僕をずっと撫でててね。
真っ白な髪の毛で、魔女みたいな帽子をかぶって、大きなリュックをしょっているおじいさん。
神様かな??
僕は、そんな神様に、いつも聞く。
ねえ、神様。
もういっていい??
まだ、ダメじゃ。
次の日も
ねえ、神様。
もうすぐなんじゃない??
まだまだじゃ。
次の日も次の日も
ずっと神様に聞き続けて
約280日
ねえ神様。
僕、行ってくるよ。
ああ。そうじゃな。そうだったな。
もうそんな時期か。そうかぁ。
よぅし。行ってこい!!
ありがとう!!神様!!
僕行ってくるよ!!
バイバイ神様。
うわああああん!!!
ここはどこ??
元気な男の子です!!
あれ??お母さんとお父さんだ!!
やった!!やった!!
待たせてごめんね。
やっと会えた。
僕は、お母さんにぎゅってする。
嬉しいな。
嬉しいな。
これから、はじまる。
僕の人生が。
数年後
お墓まいりにいくわよー!!
お母さんだ!!
うん!!わかったよ。
ここよ。
うわあー!!大っきい。
大っきいお墓には
写真がぽつんと置いてあった。
そこには、
真っ白な髪の毛で、魔女みたいな帽子をかぶった
大きなリュックをしょってるおじいさんが
うつっていた。
あれ??神様??
ねえねえ。
この人だあれ??
ああ。この人は、おじいちゃんよ。
僕のおじいちゃん、、、
神様、おじいちゃん、神様、神様、、
ねぇ神様。
僕のおじいちゃんだったんだね。
びっくり。
僕も、おじいちゃんみたいに髪の毛が
真っ白になるまで長生きするから、
それまでは、気長に
待っててね。
伝えたい。
お腹空いた!!
伝えたい。
抱っこ!!
伝えたい。
大丈夫だよ。
伝えたい。
泣かないで。
たくさんいっぱい
伝えたい。
声を出して伝えたい。
でも伝わらない。
悲しいな。
悲しいな。
でもね、悲しくないよ。
だって君は、必ず僕にこう言うの。
大好きだよって。
ずっと一緒に居てねって。
嬉しいなぁ。
嬉しいなあ。
これだけは、
僕も君に伝えられる。
大きくしっぽをふって。
大きな声で。
君むかって。
僕もだよって。
大好きだよって。
ずっと一緒に居ようねって。
僕は、この気持ちを
君に伝えるために。
分かってもらえるために。
こう言うの。
【⠀ワン!!⠀】ってね。