沈む夕日に まばたき忘れ
浮かぶ
明日への不安
----- 沈む夕日
空に向かって、ジャンプしながら手をブンブン伸ばしている。
夜の公園。ブランコに座りながら、それを見ていた。
「ねぇ、なにしてるの?」
必死になにかを掴みに行くような姿。
少し滑稽にも見えた。
「星が綺麗だからさぁ、捕まえてプレゼントしようかと」
どういうこと?と返しながら私は笑った。
何年経っても変わらない、いつだって愉しげなところは
君の良いところだと思う。
「あとちょっとなんだよなぁ〜… ちゃんと見ててよ?!星掴むとこ」
うんうん、ずっと見てるよ。
星を掴もうとする人なんて、初めてだよ。
私を笑顔にする天才。
真剣なんだもん。
すきだなぁ、そういうところ。
「あっ… とれた!!! 見て見て!ほら、手出して!」
満面の笑みで君が近づく。少し小走り。
そして、前でしゃがんだ。
「はい。どーぞっ」
左手で私の両手を下から支え、
グーにしていた右手をゆっくりその上で広げた。
「この先もずっと、死ぬまで一緒にいてくれませんか?」
手のひらの上には、指輪があった。
びっくりして、ただ見つめた。
君がにーっと口を横に広げて、照れながらさらに笑った。
確かに、綺麗。
この世のなによりもきらきら輝いている。
----- 星空の下で
妥協することはよくある
けれど、できれば
それでいい より それがいい が、良いし、
君でいい なんて最低 だから
君がいい って、絶対に言って !!!
----- それでいい
頭の中で 体の外で
いろんな声が聞こえる
もし、なにが本当か分からなくなったら
明るい気持ちになれる言葉に
耳を傾けてほしい
全部 聞かなくていいよ
----- 1つだけ
「なんだかんだ、ご飯とお味噌汁が美味しいよね。」
「うんうん。ほっとするっていうか、十分というか。 」
「自分が日本人で良かったって思うことのひとつかも。」
「わかる。和食がいちばん美味い。俺、赤味噌派。」
「私は、…合わせ味噌かなぁ。」
「合わせも美味いもんなぁ。」
足りることを知ること。
違う意見が同時に存在できること。
なにより、会話。
----- 大切なもの