空に向かって、ジャンプしながら手をブンブン伸ばしている。
夜の公園。ブランコに座りながら、それを見ていた。
「ねぇ、なにしてるの?」
必死になにかを掴みに行くような姿。
少し滑稽にも見えた。
「星が綺麗だからさぁ、捕まえてプレゼントしようかと」
どういうこと?と返しながら私は笑った。
何年経っても変わらない、いつだって愉しげなところは
君の良いところだと思う。
「あとちょっとなんだよなぁ〜… ちゃんと見ててよ?!星掴むとこ」
うんうん、ずっと見てるよ。
星を掴もうとする人なんて、初めてだよ。
私を笑顔にする天才。
真剣なんだもん。
すきだなぁ、そういうところ。
「あっ… とれた!!! 見て見て!ほら、手出して!」
満面の笑みで君が近づく。少し小走り。
そして、前でしゃがんだ。
「はい。どーぞっ」
左手で私の両手を下から支え、
グーにしていた右手をゆっくりその上で広げた。
「この先もずっと、死ぬまで一緒にいてくれませんか?」
手のひらの上には、指輪があった。
びっくりして、ただ見つめた。
君がにーっと口を横に広げて、照れながらさらに笑った。
確かに、綺麗。
この世のなによりもきらきら輝いている。
----- 星空の下で
4/5/2024, 10:43:19 PM