目に見ないものを考えるときりがない。
自分の本当でさえも、
見失う。
それでも信じていきたい。
心が動く、その景色を。
----- My Heart
同じときに
同じものを好きでいる、或いは、見ている
というのは、
当たり前じゃない
ということを、覚えておきたい。
----- ないものねだり
本当は、誰にも会わず家に閉じこもって
一日じゅう寝る時の格好で、
なんなら布団の中からほとんど出ずに
映画を見たり漫画を読んだりする、
そんなひとりの時間が好き。
休日に人と会うなんて、
いつからしてないんだろう。
ふたりでご飯を食べるだなんて…
何を話したらいいんだろう。
いつもならまだ寝ている時間なのに、
駅へ向かう足どりは重くない。
どうせ風で崩れてしまうのに、
こんな僕が、髪なんかセットして、
あぁ、恥ずかしい。
早く君に会いたいんだ。
----- 好きじゃないのに
折りたたみ傘を持って行こうか悩む。
それによってはバックを変えなきゃ。
明日のために新しく買ったコートだったけど、
雨に濡れたら君が謝りそう。
肌の調子を考えれば
ベッドに入っていたい時間だけど、
もう一度、はじめからやり直し。
はぁ。可愛いって、言われたい。
----- ところにより雨
「元気そうでよかった。幸せのお裾分けありがとね。」
助手席を降りてドアを閉める前にあなたは顔を覗かせながら私の目を見てそう言った。
膝の上で薬指の指輪を右手で潰すように強く触りながら、「こちらこそありがとう。」と笑顔で返した。
何年もずっと片付けられずにいた気持ちが、声をあげて泣き出しそうだ。
「あなたと幸せになりたかったよ。ばーか。ばーかばーか…!」
最後にそう言いたかった。
言ったあとのハッピーエンドだって夢に見た。
強引に奪いさらわれて、抱きしめられたかった。
「君が好きだ」って言葉を、
今もどうしようもなく待ってる。
----- 特別な存在