みりん

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8/12/2023, 6:41:49 AM

親戚が買ってくれた、
小さな向日葵の造花がついた、
麦わら帽子。

私はそれを被って、
真夏の日差しを浴びながら、
この坂をのぼった。

特に自分が選んだ訳でもないし、
特別麦わら帽子を好んでいた訳ではないが、
この麦わら帽子をよく被った。

外に出る時はいつでも被った。
これが一番のおしゃれだった。

もうその麦わら帽子がどこへいったかわからない。
少なくとも私はその麦わら帽子が大好きで、
一番の帽子だったのに。

「麦わら帽子」


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8/8/2023, 10:20:54 AM

電波が私の周りをくるくると回って
私はくすぐったいと目を細める

機械の音は優しく私を起こし
アンドロイドは私に微笑む

色とりどりの天井を見つめ
私よりもはるかに大きな画面が過去の風景を映す


これが自然だ、と思う。

もう風が私の頬をかすめることはないし、
日差しに気を揉むこともない。

今、花を育てたり、蝶などの虫を愛でるのは不自然だ。


友人と画面越しで会話をして
午後のお茶をアンドロイドにいれてもらう

それが日常
これがありふれた自然だ

「蝶よ花よ」


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8/8/2023, 10:04:09 AM

1度嘘をついた。

私は元々あんまり感情が表に出なくて、
私自身にも私の今思っている感情が分からなくて、

嘘をついて適当に逃げた。

私はあのとき何から逃げたのだったか。
もうそんなことは忘れた。

嘘をつけば上手くいくことを知った。

私は人を騙すのが上手くて、
絶対にばれなかった。

だから嘘を重ねた。

そう。今もばれていない。
ひとつも。そしてこれからも。

でももう何が嘘か分からなくなった。

嘘をつきすぎて、自分にも嘘をつきすぎて、
何が本音で何を言いたくて何が好きで何がしたくて、
自分についてすべてわからなくなった。

自分の存在が嘘のようだった。

もう自分は私自身の嘘で塗り固められていた。

こうなることは、
1つ目から、いや、最初から決まっていた。

「最初から決まってた」

8/5/2023, 11:36:02 AM

毎晩鳴る鐘の音は、
突然鳴り出し、止むのは予想がつかない。

そしてこの鐘の音は、
私の頭で強く響き、そして留まる。

やがて鐘の音が、
痛みを伴って、耐えられないようになってきたときに、

私は眠りにつき、
時は朝へと歩みを進める。

「鐘の音」

8/5/2023, 6:04:50 AM

あなたが何気なくいった小さなことも、

今の私を大きく動かし、

前の私にとってつまらないことでも、

今の私はきっと大きく受け止め、

あなたがどれだけ感情的に言っても、

今の私はきっと相手にしない。

「つまらないことでも」

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