君の瞳、世界映す鏡♪
何も知らずに歌っていた日々は終わりを迎えて。
飛び出したあの日を境に全てが変わった。
己の瞳に善も悪も良いも悪いも全て映して、世界はまるで風の強い空に浮かぶ雲のように動いていく。
ああ、自分は世界にとって矮小なのかもしれないが、きっとこの世界は美しい。
その世界を見にいくんだ。
#過ぎ去った日々
たまには帰り道で自販機でなんか買っちゃお!
今日は俺頑張っちゃったからご褒美ご褒美〜
…………この自販機、猫自販機だ。
猫の尻尾の匂い味ってどんな味……?
猫の頭の匂い味って何……?
なんとか匂い味しかないじゃん!!!
#たまには
今日は風が強い。
本当に飛んでいきそうなほどに強い。
会社帰りの寒空を見上げれば、雲が流れていくのがよく見える。
ああ、雲がどんどん奥に流れていって、月の単独ステージだ。
綺麗だけど、ソロなんだな。せめて満月ならな。
#物憂げな空
君がいない春は散るだけで、
君がいない夏はなつかしいだけで、
君がいない秋は虚しいだけで、
君がいない冬は物寂しいだけ。
あなたがいたから、世界は輝いていたんですね。
今気づくなんてね。
#夜の海
「夜の海ってきれーだよね、アリス」
「ええ、そうね、さいり」
大きな月が浮かぶ星空、きらりと光る白い砂浜、波が寄せては返し小さな音を立てる。世界に二人しかいないように二人の声だけが響く。
「昼の海は来たことあったけど、夜は初めてですね」
時折り吹く風にアリスの長髪とワンピースの裾が揺れる。水に濡れるのを気に留めず、波打ち際で貝殻を探し始めるさいり。アリスはさいりを愛おしげに見つめる。
「そーだねぇ、昼はいつも忙しいしね!」
さいりは貝殻を見つけてはこれじゃないと後ろに投げる。指に砂をくっつけて探し続け、紫と赤……アリスの瞳の色をした貝殻を見つけ微笑んだ。
「変な色の貝殻いっぱい落ちてて面白い〜」
「お気に入りが見つかったの、見せて?」
「だめー」
さいりは見つけた貝殻をポケットにしまって走り出す。
「次は屋台に行こ! 美味しいものあるといいな〜」
「はいはい」
二人は今日も平和だ。