さよならを言う前に、ほんの少しですが感謝を。
ちょうどいいお題、と言うと失礼ですが
今日でこのアプリは削除致しますので
疎らとはいえ、見てくださった皆様に感謝を。
それでは、またいつかお会いしましょう。
さようなら、今までありがとうございました。
「私以外誰も居ない、真っ暗で冷たい場所」
ポツリとこぼれた言葉は、荒れる夜の海に呑まれ
人が居たという形跡すら残さずに消えてしまった。
後日、海辺を散歩していた老夫婦の通報により
身元不明の女性と思われる水死体が見つかった。
海は、夜になると死と近くなり、繋がりやすい為
___海へ赴く際は、御注意くださいませ。
「夏が好きになる魔法、君に掛けてあげる!」
だけど、この魔法は嬉しくて悲しい魔法で
あの子と私に出会いをくれた麦わら帽子は
私の心に初恋という魔法を掛けた。
だけど、小さな魔法使いは私に魔法を掛けて
姿を眩ませて、会えなくなってしまった。
幼い私は会えない事で泣いてしまったけれど
それでも、会えると信じて疑わなかった私は
両親を、祖父母をとても困らせていただろう。
でも今なら分かる、分かってしまうのだ。
あの子は、ずっと、ずぅっと遠くへ逝ったと。
それでもいつか必ず、あの子にまた逢えると信じて
あの子が私に掛けた魔法を手にして目を閉じる。
思い出の場所へ、想いを寄せながら私は口を開く。
「私、今でもずっと探してるの。だから、いつか…」
「もう終わらせたいんだ。」
そう言って君は屋上のフェンスを乗り越えて
涙を浮かべているのに、笑いながら落ちてった。
「_独りに、しないって言ったくせに」
嘘吐き、裏切り者、許さない
でも僕は君が居なくなってからずっと部屋に居た
「どうして僕を閉じ込めるの?」「僕の話も聞いてよ」
「ねえあの子は??会えないの?」「…つまんない」
ずっとずぅっと、閉じ込められて何年か過ぎて
「ねぇまだ僕はお外に行けないの?」
部屋に来てくれる女性と男性は何とも言えない顔で
「ごめんね、まだなの…」と「もう少しの辛抱だよ」と
あと少し我慢すれば良いだけなのに耐え切れないから
ごめんね、お姉さんもお兄さんも悪くないから
「あの子の所にいく方法!分かっちゃった!」
声を上げる。驚きに満ちた2人と部屋の外側。
「antnsbn」ーアナタノソバニー
そして、今。僕は〝終点〟を迎える。
《×月×日、多数の重軽傷者と一名の死亡者〜》
ニュースでは先日の犯罪による被害が報道されていた。
「他に人数が居て、1人だけ死亡、ね……」
きっとその人間は運が悪かったのか、はたまた
亡くなってしまったのは自業自得なのだろう。
テレビを消しながら、そう考えを巡らせる。
「解決しない、分からないは次の機会に」
そう言ってまた何も無い日常へ戻っていく。
数年が経ち、またも騒ぎがあったらしい。
《×月×日、一名のーーの方が大勢の人数を救う為命を落としました。なお〜》
体調が優れない、と自宅に向かっている時だった。
曲を聴く気分でもない、とラジオにしてから間も無く
聞いたのはデパートの屋上遊園地で起きた騒ぎらしく
なんでも大勢の命を救う事と引き換えにしてまで
自身は命を切り捨てたらしい。
「数多の命を救った英雄、ねえ…」
そんな者はいない、否、居ると言えるが難しい。
「この後に、また少し時間が経って少ししたら
死ぬのはあと2人。この2人を見送って終わり。
本人の行動で変わる交通事故。職場の人間から
裏切られた末に、逃げ場を見つけられずに自殺」
死ぬ事は、最初から決まっていた。
いや、この場合は決められている、が正しいのだろう。
「___ごめんなさい。本当はそれを知っていた。
助けられた人達を、見殺しにした。赦されない事を」
あぁ、これも、決まっていたの…?
「むく、い…は、ちゃ、と…うけた、から……」
友人達の〝在るべき未来〟を壊した異分子ー私ーに
「_______________」
罰も罪も私が全部貰って逝くから。