★眠りにつく前に★
明かりを消した部屋の中、布団に入りそっと目を閉じる。
お風呂で温まった身体が、布団の中を心地よく暖める。
眠りに誘われるまで……
頭の中も心の中もあなたでいっぱいに
なる。
低く穏やかな声が紡いでくれた沢山の言葉が。
私を真っ直ぐ見てくれる優しい目が。
大きくて温かな手が。
初めて出会ってから今までのこと、何もかも全部が。
貴方の存在がーーー
溢れそうなほど沢山のあなたとの記憶は、フワフワの毛布みたいに私をそっと包んでくれる。
そして私は願う。
今日1日も、新しい明日も、あなたが幸せでありますようにと……。
★暗がりの中で★
夜。
お風呂上がりの身体が冷めないうちに布団に入って、1日を終えるために私は目を閉じた。
眠くなるまで、誰にも邪魔されずに好きなことを考える時間………が!
それは突然破られた。
暗くシン…とした室内に不気味に響く小さな羽音!……ヤツだ!
いったいいつからいたのか、どこから入ってきたのか、きっと暖かかったのだろう。
とにかく『それ』が嫌いな私は慌てて飛び起き電気を付けると、音の主はそこにいた。
ごめんよ、君に罪はないんだけど、このままじゃ私は安心して眠れないんだよ。
カメムシさん!
………かわいそうだけど駆除させていただきましたとさ。
★どこまでも続く青い空★
昔から空を眺めるのが好きだった。
季節によって、天気によって、色んな姿を見せてくれる空は、見ていて飽きない。
特に好きなのは青空。
透き通る青い海をフワフワ自由に泳ぐ雲や、モコモコの羊たちの群れ、いっそう眩しく照らす太陽。
そう、大好きな青空。
でも
ねぇ、先生……先生に出会ってから、青空は『大好き』なだけじゃなくなった。
ずっとずっと続く青い空。この空の向こうにはあなたがいる。遠く離れてても、この青空はきっと同じで。
同じ空で繋がってる。
そう思うと幸せでーー
そう思うから寂しくてーーー
この青い青い空を、風みたいに一瞬で飛び越えて会いに行けたなら。
今日も私は想う。
大好きな青空を見上げながら
大好きな人のことをーーー
★衣替え★
私がまだ小さい頃は、母が私や兄弟のタンスの中身を入れ替えてくれていたっけ。
姉と兄が家を出た今、タンスを一人占めできるようになった私。
衣替えの必要はなくなって、服の管理ももちろん全て自分でしてる。
衣替えではないけど、今なら春夏、夏には秋冬の服の整理を、ふと思い立ってする時がある。
着なくなった服って、意外に出てくるもので(笑)
そういう時、ふと人生って流れてるんだな~と感じる。
★忘れたくても忘れられない★
これまでの人生で、こんなにも強く強く思ったことはなかった。
出会ったこと。
それからのこと。
貴方に恋をしたこと。
それは 片想いだってこと。
忘れようとした。あなたへの気持ちを。
後悔にはしたくなかった。あなたに出会ったこと、惹かれたことを。
叶わないなら……
いずれ会えなくなるなら……
でも、無理みたい。
忘れようとすればするほど、自分の中のあなたの存在の大きさを、痛いくらい実感してしまう。
忘れるなんてできない。
忘れたくない。