静かな情熱
足音を消して歩くこと、
大きいペットボトルからコップに注ぐ時にドボンドボンしない角度を探すこと、
ドアをそーっと音がしないように閉めること、
たまにピアノの鍵盤を音がしないように押してみること。
特に意味はない。
すごく音を気にするタイプでもないし、なんなら多動でその他の行動はガチャガチャしている。
ただなんとなく、これらの「静かな」行為に無駄に情熱を注いでいる。
遠くの声
うさぎの耳は3キロ先の音まで拾うことができて、聞こえる音の周波数の範囲も人間よりずっと広いんだって。
そんなにも優れた聴力を持つ世界は一体どんなだろう。
沢山の危険を察知できるかもしれない。
離れた場所から響く素敵な歌声を聴くことができるかもしれない。
雪が地面に落ちる音にも気付くかもしれない。
一度体験してみたいな、と思ったけれど。
窓の外の蚊の羽音に起こされるかもしれない。
そう気付いた瞬間やめておこうと決意しました。
うさぎにはうさぎの聴力。人には人の乳酸菌。
春恋
花開いた春恋は
ほんのり色づく桜色
燃え上がった夏恋は
夜空を彩る花火色
実り熟した秋恋は
風に揺られた木の葉色
吐息にゆらめく冬恋は
昨夜積もった雪の色
──そしてまた春を待つ
未来図。
ブレーキランプ5回点滅のやつね!
と思ったら未来予想図だったし、
数年前娘が聴いてた今時のデュエット(言い方古)みたいなやつね!
と思ったらミライチズだったし。
ちなみに私は5年後10年後になりたい自分を書いて、みたいなやつ本当に苦手で未来を一切描きたくない派です。
私の歩いた道が地図になるんだよ。
ひとひら
花びらが百散って花吹雪となり
千水面に落ちて花筏を浮かべ
万降って花の小道を作る。
幻想的な春を作り出すそれは、
拾ってみればなんと小さく儚げなほんのひとひら。
私もそんな風に、小さな存在ではあるけれど、美しい世界を作るひとひらでありたいと願う。