旅の途中に
食べたくなるのは君のシチュー
そう僕は君に夢中
しょっちゅう会いたいのに君は喪中
眼中にないと言われ苦衷
四六時中熱中 嗚呼自己中
宮中に路駐した僕を君は天誅
意中の君の心は遥か宇宙
僕は君をwant you
But I can't get you
そんな渦中
僕に寄り添ってくれたのは昆虫
甲虫の体はまるで甲冑
寒中の山中 成虫に命中
地中に集中 幼虫を必中
白昼の職務中 益虫を外注
人生あっという間に五里霧中
四六時中 懐中に焼酎
アル中の病中
君を思い出す心中
やはり僕はwant you
But I can't get you
恋をまだ知らない君へ
それは突然やってくるかもしれないし
一生出会わないかもしれない
周囲の声に踊らされることもある
でも大丈夫
君は君のままで
君のやり方で誰かを愛せばいい
別れをまだ知らない君へ
それはどんなに望まなくとも
誰のもとにもいずれは必ず訪れる
涙が溢れて止まらない夜もある
でも大丈夫
君は乗り越える力を持っているから
沢山悲しんでまた歩き出せばいい
猫吸いをまだ知らない君へ
あれはとても素晴らしいものだと
言葉の限りを尽くして伝えたい
柔らかく温かくふわふわな感触から
離れられないこともある
でも大丈夫
猫吸いは心の健康にとても良いから
心のままに
思う存分に吸えばいい
日陰
それは真夏のオアシス
灼熱の太陽から身を守る盾
紫外線から逃れるためのバリケード
日陰を求めて彷徨う者よ
どうか健やかであれ
日陰
それは真冬の監獄
陽の光のぬくもりを遮る壁
積もる雪を溶かさないための冷凍庫
日陰に震え逃れようとする者よ
どうか健やかであれ
黄色い帽子かぶって
ランドセル背負った
花びらが東風に舞い
目の前で春を告げた
麦わら帽子かぶって
自転車を漕ぎ出した
西日に耳を傾ければ
飛ぶ鳥が夏を呼んだ
団栗が帽子かぶって
足元へひとつ落ちた
鼻先に揺れる南天は
風の噂で秋を知った
毛糸の帽子かぶって
口から白い息吐いた
北極星を道標にして
月が冬の道照らした
東西南北
花鳥風月
目耳鼻口
春夏秋冬
電話をかけている人が、発信ボタンを押すその時に。
ティッシュを配る人が、通行人にティッシュを差し出すその時に。
カフェの店員さんが、注文を取りに行くその時に。
買い物をする人が、初めてのお店に入るその時に。
大きな通りを走る車の運転手が、右折をしようとするその時に。
ひとつひとつに必要だった小さな勇気。
当たり前の日常風景にうつるすべての人は、勇者なのかもしれない。