空気に溶けて霧散して 全部消えてたい
私の痕跡なんてもう この世のどこにもないように
✎ --------------- 目が覚める前に ---------
『大好き』と 何度も言って くれた君。
手を繋いで抱っこして 花のように綻んで。
周りをいつも 愛してた。
歩き方が可笑しいねって。
治せないって聞いた日よ。
脳の仕組みがどんどん壊れていく日々が。
眠ることもできなくて 夜通し暴れて嘔吐して。
笑顔は高度なんだって 気づかせてもくれたんだ。
表情を変える それが そんなに難しいことなんて。
だんだん近づくその日はいつと 考えるのは残酷で。
最後はすぅと一息を 弱々しく飲み込んで
涙の粒を つうと落として空へ逝く。
神にも悪魔にも 何度も乞うてみたけれど
だぁれも救えるわけ ないの。
愛しいあの子が消えてから 私はなにも信じない。
無機質な あの白い病室を 窓から見た雪景色。
澱のように積もらせて 渦巻く黒黒としたものも。おくびにも出さぬ と決めたから
心に鍵を かけ続く。
------------------- 病室 -------------
✎ ------- 明日、晴れたら ----------
家の中まるごと洗って窓も開け放して
夏を身体いっぱい吸い込んで
ふかふかの枕で眠るんだ!
あ−心が躍るよねぇ ねっ*•.❥◡̈*.。
煩わしいことないもんね
ほら
好きなときに好きなもの食べて
好きなときに好きなように出掛けて
好きなときに好きなように眠る
お休みだって合わせて取ることないしさ
一人はいいよ
一人がいいの
だけど
だけどやだなぁなんで貴方に逢いたいの
------------------ 一人が、いいの -----------
見透かされる心の底まで胸の奥から想いの発露を
狂おしくて逸らせないそうそのまま見透かして
---------------透きとおった瞳 ---------