8/28/2023, 4:18:17 PM
突然の君の訪問
かつて飼っていた猫がいた。彼女は気まぐれで、私が目を離した隙にいつもどこかへ行ってしまう。あの日もどこかへ行ってしまったきり、もう随分長く帰ってきていない。
その彼女が、今縁側の外にいる。
「あら、どうしたの」
にゃあ、彼女が鳴いた。
「おかえり」
私は言った。抜け出した彼女を捕まえにいくのは私の役目だったけど、それはできそうになかった。
「そうね。今日なのね。ちょうどいいわ」
雨も降っていないし、家族は出かけてしまった。
私は1人で死ぬのだ。私の誇り高き飼い猫が、かつてそうしたように。
いいや、1人と、1匹で死ぬのだ。
8/27/2023, 4:26:09 PM
雨に佇む
雨の日に迎えを頼んで、1本しか傘を持ってこないところ。2人で同じ傘に入って、躊躇なく肩を濡らすところ。今、返事をくれないところ。
あなたのそういうところが、ちょっと嫌いで、大好きだった。
8/26/2023, 3:43:44 PM
私の日記帳
月明かりの下、死ねと好きで埋め尽くされた日記を書きながら、救われるのを待っている。
8/25/2023, 2:46:18 PM
向かい合わせ
ぼくら、向かいあわせのまま、すれ違って、とおりすぎて、背中合わせになって、はなれてった。
8/22/2023, 2:45:02 PM
裏返し
好きの反対は嫌い、なんてオセロみたいに簡単に裏返せたら良かったのに
あの人は私に興味なんて1ミリもないの