5/24/2024, 2:36:11 PM
《あの頃の私へ》
『どんなおとなに、なっていますか』
幼い私からの伝言。
ごめんね。
私は人生という演劇において、主役にすらなれなかったよ。
この物語はエンドロールを迎えられず
アンコールへと続いていく・・・
いつか私が主役になる、その日まで。
5/22/2024, 2:21:31 PM
《また明日》
「また明日」
君はお見舞いに来た僕にいつもそう言って見送ってくれる。
その約束が叶うことは、なかった。
死にたい僕は今日も朝を迎える。
生きたい君の明日は暗い。
もし、一緒にいようと言ったら。
君は怒るのかな。
5/21/2024, 1:28:16 PM
《透明》
透けていく。
だんだん。だんだん。
色も、音も、匂いも。
あなたに触れるこの手さえ。
全部が透けていく。
あなたのことも忘れてしまって・・・
その日、私は空っぽになった。
5/20/2024, 2:13:39 PM
《理想のあなた》
あの子から艶々した髪を。
別のあの子からは大きくてぱっちりした目を。
また別のあの子からは鈴のような声を。
他にも、いろんな子から気に入ったパーツだけを、私に移し替えた。
これで、彼にこの想いを伝えられる。
「好きです!」
「ごめん。君とは付き合えない」
どうして?
私は完璧だったはずなのに。
彼は、私の醜いパーツが沢山移し替えられたあの子を選んだ。
嗚呼、そうだ。
心は入れ替えられないのか。
5/19/2024, 1:40:17 PM
《突然の別れ》
「俺、タイムマシンに乗って結婚前の親見てくるわ!」
隣に住むクラスメイトの渡辺が急にそう言い出した。
「え、やめたほうがいいんじゃ・・・」
次の日、僕はいつも通り学校に行った。
「出席とるぞー。青木!」
いつも通り、名前が読み上げられていく。
「・・・山口、和田!よし、全員いるな!」
いつもの学校生活が、始まった。