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5/24/2023, 3:32:12 PM

○お題︰あの頃の不安だった私へ

「不安だった頃かぁ。私はいつだって不安だからなぁ。」
とりあえず、思いついたこと書いてみようと思う。

 私は雨が嫌いだった。
よく行く病院も、ピアノの教室も、ばーばの家も、全部遠く感じた。空から落ちてくる雨粒が、世界を雨に変えながら、私の傘をつたって、地面に落ちていく。
雨音が、冷たい風が、湿った土の匂いが、私の身体にまとわりついて離れない。
なんだか不安で、私は小さい身体で必死に親の背中を追いかけていた。
屋根の下に着いて、傘を閉じ、みんなの顔が見えた時、自分の身体に力が入っていたことに気づく。

 今は、好きでも嫌いでもない。
でも、どちらかと言うと、好きなんだと思う。落ち着く環境ではあった。
雨は、受験だとか人間関係だとか自分の欠点だとか、そういうものから遠ざけてくれる。良くも悪くも。
ただ、雨の日に、私の心が乱れることはあまりない。
 ザーーという雨音、雨粒がパタパタと傘をうつ音、湿った草や土の匂い。それらは全て、騒がしいこの世界から音を消していく。
雨は私のまわりに薄くて透明な壁をつくる。壁の向こうの音は私には届かない。私の音も、壁の向こうには届かない。だから、私に気がつく人は誰もいない。

 あの頃の不安だった私へ。
感情が不安定の時は、音楽を聴くといいよ。
あとは本を読むといいよ。ピアノ弾いてもいいし、トランペット吹いてもいいと思う。眠ってみるのもいいかもね。先輩のストーリー見るのもおすすめ。
思いつくこと片っ端からやって、それでもダメだったら、とりあえず、1人になろう。
1人になって、この世界を遠くから眺めていよう。
 私がどんなに息を潜めて、雨に隠れて、傘を深くさして、下を向いて歩いていたって、誰かがちゃんと見つけてくれるから。
屋根の下に連れていってくれるから。
私の冷たくなった手を握って、温めてくれるから。

 なんなら私が、今から行こうか。

 もう12時30分になっちゃったので寝ます。
 おやすみ。

  2023.5.25