『キャンドル』
キャンドルに火をつける
形が崩れながらも
灯り続ける
最後には小さくなり
燃え尽きる
物によっては途中で燃え尽きる
人間も同じ
いつかは魂が燃え尽きる
人生はいつかは終わる
早死にするか
長生きするか
終わりが必ず来るならば
迎えに来るまで
生きてみようかな
『また会いましょう』
あなたは最後にこう言った
「上でまた会おうな」
ぼくはどう返事をすれば良いか
わからなかった
「、、、あぁ、また会おう、、」
あなたは息を引き取った
「ごめんな、、ぼく、上には行けないんだ」
〈不老不死の鬼の話〉
『ススキ』 ☆ぼく ♡彼 〇じっちゃん
☆ じっちゃん!団子ふたつ!
〇 あいよ!
今日はお月見をする日
家に帰って緑茶を入れる
部屋を暗くして、カーテンを開けて、窓を開けて
団子と緑茶を準備する
あとは、、、
♡ ただいま〜
☆ おかえり!!
彼が帰ってきた
☆待ってました!
♡ おっ。なんか雰囲気いいね
☆でしょ!ススキ取ってきてくれてありがとう!
♡ いえいえ!お団子とセッティングありがとう!
☆ えへへ
彼とくっついてお月見開始!
♡☆ うまぁ
団子をほおばる
☆ ぼく、来年も一緒にお月見したい
♡ おれも。約束しようぜ!
☆ いいね!絶対だよ?
♡ おれはお前がいなきゃヤダ
☆ 照れるなぁ
『意味がないこと』
わたしはくだらない話が好き
でも、あなたはそうでもないのね
ついつい自分だけで盛り上がってしまうわたし
あなたの返事が無いときや
興味なさそうな顔して頷いているのに気がつく
あぁ、言わなきゃぁよかった
意味のない話なんて
聞きたくないのだろうね
言わなきゃぁよかった
言わなきゃぁよかった
そんな日々が続いていく
ついにわたしはほとんど話さなくなった
『哀愁を誘う』
終わった終わった!
仕事帰り
夜遅く
ふと空を見上げる
そこには月が夜の空に浮かんでいた
満月か
夜にしては月の光で明るい
あっちの方に少し開けた場所があったはず
ちょっと駆け足で行く
そこには細身の男性が一人立っていた
月を見上げていた
後ろ姿だったがぼくは何かを感じた
今にも夜空にサーっと消えそうな感じだった
行かないで!
気づいた時にはもう声が出ていた
え?
彼が振り向く
いやっあの、、、すみません、、、
あなたが消えそうだったもんで
とぼくが答える
消える?僕が?っハハハ
急に彼が笑いだした
がまた月を見上げた
その横顔は今までの人生の中で
見たことがない美しさだった
しかし美しいだけではなかった
なにかもの悲しさを感じた
彼のことが気になった
いつもこの真夜中に月を見に来るそうだ
ぼくは毎日ここに通い始めた
いつ見ても哀愁を漂わせている彼
ぼくはその哀愁に誘われ
今日もまた彼に会いに行く