6/30/2025, 11:55:52 PM
カーテン
冴えた瞳が深い夜の色をした部屋を映している。
小暑の匂いが鼻腔をくすぐる。
汗ばんでしっとりした腕で、
眠れない憎たらしさと明日への恐怖を覆う。
夏が来たんだ。そう私に伝えたいかのように、
夜と同じ色をしたカーテンはひらひらと
部屋を舞った。それはもう気軽に、優雅に。
私もカーテンになれたら楽しいのかな。
なんて馬鹿らしいことを考えて、
少し泣いてしまった。