行かないで、秋
ねえ、この間まで夏だったよ?
寒くなるの早いよ。
まだ栗ご飯食べてないよ?
焼き芋もモンブランもかぼちゃプリンもまだだよ?
長袖カットソー出したけど
秋用の軽めのジャケット、今年も着なかったね
断捨離本では1年着なかったら捨てろって…
でも、信じてる
日本は四季があるはずだって
だからたまにはゆっくりしていって
秋。
この仕事長くやってるとね
声が枯れる瞬間って分かるんだよね
喉の奥でピリッと
あ、やっちゃったって
つまり、
酔っぱらいが限界を知ってるようなもんだよね
昔、師匠はこう言った
明日のことなど考えるな
声が枯れるまで歌え
そうしないと客席に届かないぞ
いや、枯れたらあかんやろ
だけど踏みとどまっては
情熱のなにやらは届かないのだろうな
そう、私は理性で動く
感動も、情熱も計算だ
それも技術
年数を重ねる毎に老練になり
冒険から遠ざかる
でもね、たまにライブを見に行って
若い歌手がとにかく暑苦しいほどの想いを
声の限りに歌うのをみて
技術や計算度外視に心を動かされる
この子は
天才じゃないだろう
秀才でもないだろう
でもだからこその剥き出しの想いは
私の心に痛いほど届いた
涙に理由をつけることはしないけど
あえて言うなら彼女は
自分が可哀想で
泣くんだね
力を込めて
今日も第一歩を踏み出す
生きてるだけで丸儲けだからな
この一歩が
例え何も生み出していないとしても
§力を込めて
(書き足す可能性があるからお題キープ)
秋なすは嫁に食わすな
秋のナスは美味しいから嫁に食べさせるのはもったいないという意地悪姑のことわざかと思いきや
ナスという夏野菜は
体を冷やす効果があるから
嫁の身体を冷やしてはいけないという気遣いとも言われる
なんで身体を冷やしてはいけないのか
その根底には「嫁」は「子供を産むためにいる」という
気遣いの仮面を被った
性別で役割を押し付ける性差別が含まれてるともいえる
ああいったらこう言う
捉え方ひとつで解釈が反転する
生きにくい世の中である
でもさ、
ごちゃごちゃ言ってないで
美味しい季節物は、美味しく食べたいものだね