6/26(水) ー 君と最後にあった日 ー
大嫌いな君と最後にあったのは卒業式だった
同じ陸上部で同じ種目 僕が県6位をとったときも
褒められたのは1位をとった君だった
身体に恵まれ身長は僕より20cmも高かった
才能があったのにまだ努力する君が嫌いだった
憎くて憎くて本当に嫌いだった
君のせいで部活の楽しさも分からなくなった
どんだけ努力しても君には勝てず
いつしか僕は部活を休むようになった
僕はうつ病になった
部活だけを頑張ってきた僕は勉強なんてできず
何もかも失ったような気持ちになった
その後僕はなんとか陸上部に戻ることが出来たが
昔のような輝きは失い、地に落ちた
最後の大会も勝てないまま引退することになった
そして卒業式の日がやってきた
君とは部活を引退してからは1度も話さず
一切関わらなかった
だが陸上部で写真を撮ることになり
いやいや会う羽目になってしまった
僕は1列目の真ん中にいた
君は3列目の真ん中だった
写真は2~3枚撮って終わり、自由になった
僕はすぐにその場から逃げ出したかったが
君が話しかけてきた
僕は話を適当に合わせすぐ帰ろうとしていた
君は相変わらず部活の話しかしなかった
君は陸上が強い強豪校にいくらしい
君は最後の大会で県1位をとっていたらしい
君は彼女ができたとも言ってた
君は僕がいない間も努力をしていたらしい
君はずっと自分の話しかせず
僕のことについては何も言わなかった
僕はとうとう自分から話してしまった
すると、君は笑った
嬉しそうで楽しそう何故か嫌いな君が嫌いじゃなくなった
見たくもない君を話したくない君を
なぜか少し好きになった
君は嬉しそうな声でこう言った
「お前なら大丈夫 どんな道を歩んでも応援する」と
僕は一生君には勝てないなと思った