あら、お帰りなさい
見ないお顔の方もこんばんは
私のお話を聞きに来てくれたの?
嬉しいわ
じゃあ、早速お話を始めましょうか
そうだわ、最初から聞きたいのなら
昨日のものが残ってるから、そこから聞いてね
私ね、彼に一目惚れだったのよ
私は人と顔を合わせるのが苦手なの
だからずっと下を向いていたわ
前からの友達とは前を向いて話せるけどね
最初は彼から話しかけてきたの
メールの方でね
一緒に遊ばないかって
電話をしてネットで遊んでいたのだけど
私はまず彼の声に惹かれたわ
とてもかっこいいの
次に、彼の性格
とても優しくて、そこで顔を知りたくなったの
学校の日、声を頼りに彼を探したわ
私、耳がいいのよ
そして見つけたの
彼は、とってもかっこよかったわ
そして可愛いの
人に囲まれながら笑う彼の姿に
私の心は一瞬で奪われたわ
その時は大変だったのよ
見ただけで顔が真っ赤になっちゃったみたいで
隣にいた友達に凄く心配されたの
彼の周りには人がよく居るの
男友達も女友達も
私は彼と女子が絡む度に嫉妬をしたわ
最初は羨ましいって焼きもちを焼く程度だったの
でもね、最近は自分でも度を超えてると思うわ
彼と絡む女子に、昔からの友達もいたの
他にも、新しく友達になった子もいたわ
その友達たちに対して、殺意が湧いてしまったの
私って最低だわ
人を殺す度胸もないのに殺意が湧くなんて
そもそも友達に対して
こんな気持ちが湧いてしまうなんて
自分が嫌になったわ
こんな事を考えてしまう自分が嫌いなの
だから必死に抑えてるのよ
私が誰にも危害を加えないように
絶対に何も起こらないように
少し話を戻すわね
私は不安になったわ
彼が絡んでいる女子の中に
彼の好きな人がいるんじゃないか
私は眼中にないんじゃないかって
それでも彼は私と夜に電話をしながら
一緒に遊んでくれるのよ
共通点も多いから、話題には困らなかったわ
そこで私は気づいたの
彼はたらしなんだわ
彼に対しては失礼だけれど
私は彼に惚れた女子を少なくとも一人知っている
彼女は私の為に諦めてくれたのだけど
本当に優しい子よね
彼はきっと天然たらしってやつなのよ
確かに、あんなにかっこ良くて、性格がいい人に
ちょっかい掛けられたら気になるわよね
私だって、そのたらしに引っかかった一人だもの
それぐらい分かるわ
いつだか私は不安が頂点に達して
つい、彼に聞いたわ
私は皆や貴方の足を引っ張っているんじゃないかと
でも、彼は優しく慰めてくれたの
自分の方が足を引っ張っている
なんて事も言ってくれたの
全くそんな事はないのだけどね
そして、私は彼の言葉に
心が暖かくなって、涙を流したわ
やっぱり彼は優しい
でも、私はこの不安について話したこと
相談したことを後悔してるの
だって面倒臭い女だなんて思われたくないじゃない
もう思われているかもしれないけれど...
あぁ、やり直したい
こんな時にタイムマシーンがあったら
やり直したい所からやり直す事ができるのに
他にも、今まで私は沢山間違えてきたの
間違えた所は分かっているのよ
だからこそやり直したい
本当にタイムマシーンがあったらいいのに
やだ、もうこんな時間だわ
貴方もやる事があるでしょうし
今日はここまでね
私のお話を聞いてくれてありがとう
またね
恋する乙女
私には好きな人がいるの
ずっと大好きな人
1度告白だってしたのよ
でもね、振られてしまったの
好きな人がいるんですって
私は彼との時間が大好きだったわ
毎夜、8時ぐらいから9時にかけて
一緒に遊ぶのよ
電話をしながら
だから私は毎日、夜がとても楽しみだったの
でもね
いつだか私は罪を犯したわ
そのせいで両親に怒られてしまったの
そして呆れられたわ
遂に携帯も解約されてしまった
来年には受験も控えてるから
私は勉強しなきゃいけなかったの
でも私は怒り狂ったわ
彼との時間が無くなってしまった
私は私の友達と彼の為に罪を犯したのに
そんな事も知らないで
自分勝手だって知ってる
それでも私は喜んで貰いたかったの
私はその後しばらくして彼に告白したわ
でも振られてしまった
好きな人がいるからって
私は涙を流したわ
でもすぐに立ち直った
好きな人をこれぐらいで諦めるのなら
私は彼を本当に愛してた事にはならない
そう思ったの
だから私は諦めなかったわ
でも、私は臆病だった
彼に嫌われないか
執拗いのは誰でも嫌なはず
それならいっそ、彼の恋を応援して
私は身を引くべきじゃないかしら
これも1つの愛の形だと気づいたわ
それでも私は諦めなかった
彼以上に他の誰かを愛せないと思ったから
やっぱり私は駄目ね
彼なしじゃ生きていけないわ
それで今に至るのよ
私は今でも彼を愛しているわ
彼ね、1度振った相手でも
とっても優しく接してくれるの
委員会でもさり気なく助けてくれたし
連絡に対してもちゃんと返事をしてくれるわ
彼、興味の無い人には返事をしないから
でも、やっぱり彼から連絡は来ないわ
私、嫌われてるのかもね
彼は善人なだけだわ
お人好しなのよ
だから悪人の私にも優しくしてくれるの
きっと、善人の彼と悪人の私は
不釣り合いね
それでもやっぱり好きなのだけど
あら、もうこんな時間
今日はこの程度にしておくわ
それじゃあまたね
こんな私のお話を聞いてくれてありがとう