白理

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11/19/2024, 12:42:55 AM

山の奥、
見上げたら眩い星空が。
麓の方を見ると街の明かりが
キラキラと瞬いている。

空気が綺麗なこの場所で
私は育った。

生まれた頃から家には動物がいた。
犬、猫、ラット、鶏、メダカ、金魚。
殆ど死に際に立ち会い、火葬をして
この家の庭に埋めた。

お墓によって色々な花を植えた。
今年、9年前に亡くなった猫のお墓から
1度も咲いたことの無い藤の花が咲いて
亡くなってもなお
この子たちは励まそうとしてくれている。

私はたくさんの思い出と住んでいる。
ここにいる限りひとりにはならない。
ずっと、あの子たちがいるから。

11/16/2024, 11:04:53 AM

居なくならないで。

ねえ。光の世界を見せてくれてありがとう。
ひとときでも君のそばにいれたことが
永く冷たい僕の命を照らしてくれたんだ。

君が居なくなるのが怖い。
どうして人間はこんなにも、儚いんだ。
なぜ、僕の前にいる君は
息も絶え絶えで
しわくちゃの笑顔で

"はなればなれになっても
あなたの記憶に私はいる"

"大好きだよ"

あぁ、まるで、呪いの言葉だ。
僕も愛していたよ。

11/16/2024, 8:38:50 AM

この子だと思った。
目の前に4匹、かわいらしい子猫。
明日には保健所に連れていかれてしまうからと
SNSでの募集をみて1時間半、
ドキドキしながら車を運転した。

性別も分からない。
でも、この子にしようと手に取って
一緒にいることにした。
みーみーと不安がって鳴いている子を
一生懸命あやして

『大丈夫、これからずっと一緒だよ。
寂しくない、怖くないよ。』
声をかけて抱きしめて
夕日がそんな私たちを祝福するように
眩しくて、印象的だった。

あの日から4年。
今もこの子と一緒にいる。
私の宝物。
いつまでたってもかわいい
あの日の子猫のままだ。

11/14/2024, 3:21:10 PM

私は泣いていた。

絵が描けなくなった。
自分の人生、アイデンティティ。
これが無くなれば私には何も残らない。

なのに手に持っていた筆は
いつの間にか透明になった。
描いても、描いても
空(くう)をなぞっているだけのようで
手元には何も、私には何も無かった。

あるとき風が吹いた。
それは色なき風、秋風だった。
筒状に開かれていた手の間を
無遠慮に通り抜けていく。

いつの間にか透明だった筆が
形を現していった。
手には何の色も付いていない
絵筆があった。

気まぐれなその風は少なくとも
今の私を救ってくれたらしい。
希望だけを描く必要はない。
秋の憂いを絵にしても良いのだと
言ってくれているようだった。

キャンバスに筆をなぞる。
描いた先に色が塗布される。
こんな当たり前のことが
嬉しくて、何より楽しくて
仕方がなかった。

あるとき風が吹いた。
この冷たさが
この厳しさが
今の私には心地よかった。

11/13/2024, 10:20:44 AM

果たされることはもうない。
あなたは嘘つきだ。

沢山した約束のなかで、それは一段と輝いて見えた。
『また会いましょう』
そう言われたときの高揚たるや。
私は嬉しくてあなたの前でも帰宅してからも泣いて。

それで、結局最後だった。
期待させないで。
私が人間の形を持とうとするような希望を持たせないで。

この思考をあなたは理解できないだろう。

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