「つまらないことでも」
みなさんは吉川晃司と大友康平をご存じでしょうか?
いいえ、違います、彼らはロックスターではありません。
彼らはある暗殺機関に属していた殺し屋なんです。
そして私はその暗殺機関で受付嬢として働いていました。
二人の男と一人の女…そうです、吉川と大友は私を巡って争ったことがあるんです。
吉川晃司と言えばシンバルキック。
その威力は凄まじくシンバルパンチの二倍の威力があったそうです。
そして大友康平と言えば華麗なマイクスタンドパフォーマンス。
彼はあのマイクスタンドの凄まじい回転で集まってきた人間に催眠術をかけて自在に操る事が出来ました。
こんな事を言っておいてなんですが決して『大友康平 マイクスタンド』で検索しないで下さい。
もうこれ以上犠牲者を増やさないためにも…
「病室」
「悦ばれる肛門ですよ」
耳を疑った…どういう事?
見返した医師は爽やかに微笑んでいる
イボ痔を診てもらいに来ただけなのに…
この人は肛門からイボを取り除くだけじゃなく自信を植え付けようとしてくれてる?
ダメ…今、そんな優しくされたら…私
泣きじゃくる私を尻目に彼はゆっくり座薬を押し込んでくれた
「最悪」
「お前も現金をバッグに詰めろ!」
はい、出ました「お前呼び」
そう呼ばれた瞬間、現実に戻されちゃった
嫌いなんだよね。
「お前」って呼ばれるの
ボニーとクライドを気取りたかったのにさ…
私は目出し帽を脱ぎ捨て、すき家レディオが流れる店をあとにした
「誰にも言えない秘密」
日本海の荒波が育てた逞しい広背筋から生まれた力が拳へと伝わり彼女のボディに突き刺さった。
土台無理だったんじゃ、穏やかな湖で生まれた淡水人魚の彼女にいくらボクシングを叩き込んでも海水人魚に勝てるわけねぇわ。
満身創痍の彼女をそっと湖に戻す…斜めに泳いどる…もうダメかもしれん。
「じゃあの」
わしはそう呟いて広島へ帰った。
「ただ、必死に逃げる私。何かから逃げるように」
そう、見た目はただの老婆だ…しかしあれは違う!
老婆の形をした何かだ!何なのだ!?
直線は明らかにあれの方が速い、最後のヘアピンカーブ…
あそこで突き放せなかったら私は…
雑念を振り払うようにアクセルを踏み込んだ。