奇跡をもう一度
奇跡をもう一度。
それは、思いも寄らない嬉しいことがあったときに、あなたが思うこと。
でも本当に、それは奇跡なのだろうか?
当然のことなのではないだろうか?
だってあなたは、奇跡を起こすことができる向上心と、諦めない心を抱いていたのだから。
あなたの穢のない心が、四つ葉のクローバーを見つけただけなのではないだろうか?
奇跡をもう一度起こすことは簡単。
どうするかって?
あなたのその心を、純粋な魂を、守り続ければ良いだけだ。
たそがれ
ブロック塀の上でただ一匹、たそがれている痩せた野良猫。
険しい顔で、どこか淋しげな顔で、丘を見下ろしている。
帰る場所がないんだね。
愛してくれる人がいないんだね。
一人惨めに、夜を越すだけなんだね。
私と一緒だね―。
小さな名もなき三毛猫を見ていると、なぜだか涙がとめどなく流れてくる。
きっと明日も
きっと明日も朝が来る。
朝が来てほしくない夜もあるし、
早く来てほしくて眠れない夜もある。
明日というものは
それほどに残酷なのに
それほどに輝かしくなるときもある。
いや、明日というものは、じゃなくて、人間の心の持ちようが、かもしれない。
待って、
朝が来る前提で話していたけれど、
そんな保証どこにもなかった。
静寂に包まれた部屋
静かな部屋で一人。
今日あったことを思い返して、哀しくなったり、ひとりでに笑顔が溢れてきたりして。そういう時間が大切だ。
どんなに明るい人でも、辛いときはある。
誰かと一緒にいることに疲れて、逃げ出したくなってしまう。それが人間というもの。
そういうとき、静かな部屋は無言ながらに言う、
「ここに来て。」
静寂に包まれた部屋で、自分と向き合う。
そうして明日も頑張れる。
別れ際に
去っていく君の姿を見て
頑張ってねって思った。
小さい頃からいつも一緒、双子のように育ってきたね。
でも、君は未来を追いかけて遠くへ行く。
私に君を止める資格はない。
だからせめて言わせて、「さようなら」
いつでも帰ってきていいからね、辛くなったら。
根気強い君は、きっともうこの場所に戻ることはないって、知ってるけど。長い付き合いだったから、そのくらい分かってるけど―。