「意味がないこと」
ワタシは世界が平和でいて欲しいけど
戦争はこの世界に生まれた時からずっと存在してる
ワタシにとって戦争や争いごとはイミを見出せない
だけど
争うことは、本能だと思うから
きっとなくならない
そして争いごとを昇華させたスポーツは誰かの心に感動を与えることもある
という事はやはりイミガアルコトなんじゃないかな?
爪を切った
爪から離れた元爪先はイミガナイモノになった
だけど
指先に爪があることも
伸びた爪を切る事も イミガアルコト
なんにもないワタシが生きてることは
イミガナイコト?
だけど
多分だけど、ワタシはイミガナイモノ だけど
生きることは、きっと イミガアルコト
「あなたとわたし」
二人の間には交わることのない境界線がある
わたしはあなたを見ることができるけど
果たしてあなたは私を見ているのかしら?
目と目が会った気がするけど
きっと気のせいね……
あなたとわたしはどんなに近くことができたとしても
せいぜい手のひらを合わせることが精一杯よね
子供のころからずっとそばにいてくれるけど
話し合ったことは一度もないわね
わたしは自分から話しかけるタイプじゃないし
あなたも決して自分から話さないものね
私はあなたを見つめながら年を重ねていきます
最期まで、よろしくね
「柔らかい雨」
読んでいた小説から目を離し、座っていた軒先から庭に目をやる
雨の匂いがしたからだ
でも、空は明るいままだ
しばらくすると、ポツポツと庭石が濡れ始める
花も雨粒が当たる度にユラユラと弾んでいる
「狐の嫁入り……か?」
小春日和の今日、どこかの誰かが
幸せになる先触れだったのかなと思えば、
突然の雨も存外悪くないものだ
ふわっと金木犀の香りが濃くなった
小説の中だけじゃなかったな
現実だってこんなに愉快で幸せが充ちていた
だから、しばらく幸せな心地を楽しんでみることにした
「一筋の光」
天使の梯子
怪我の功名
チンダル現象
オーブ
ジャンルは全部違うけど
出会うと
なんだか
ホッとする
肩の力が抜けて
許させたような
そんな気になる
私が誰かの光になることなんかあるのかな?
なれたらいいな
「哀愁をそそる」
空が茜色に染る時間
放送塔から 早くおうちに帰りましょう と伝えられる……
家に帰っても
誰もいないけど
トントンと野菜を切る音や
魚を焼く匂いまで
思い出して
急いで家に帰りたくなる