「月に願いを」

一度だけ
君は

月が綺麗だね

そう呟いた

私は
死んでもいいわ
そう返したの

そうしたら

死ぬな！　
生きろ！

そう言った君
賢い君は
きっと意味を知っていると思ってた
それなのに
君があまりに真っ直ぐで
誠実な気持ちを私にぶつけてくれたから
死んでもいいわ、だなんて
もう言わない

生きて
生きて
強く生きて
君に想いを

お月さま
生きろと迷わず伝える彼に
どうか
どうか
幸ある未来を

今宵も夜空を見上げ
願いよ叶えと祈り続ける

　　「降り止まない雨」

見なければよかった
だけど
どうしても見ずにいられなかった
あなたと過ごした特別なアプリ
あなたが作った特別なアプリ
私を招待してくれてありがとう

だけど私は
感情に波があって
大好きなのに
あなたを振り回してばかり

そんな日々が続いたある日
常に変わらない態度で接する人が現れた
あなたは…
彼女を選んだ
関わらないでほしい
そう告げられた私

あなたと過ごした特別な世界
隣で過ごして楽しかった
だけど今
あなたの隣にいるのは私じゃない
涙がとまらない
涙ってこんなに流れるのね、知らなかった
外を見れば晴れていたはずの空は
いつの間にか大雨に
もっと泣いていいって言ってくれているようで
泣き声は雨音が消してくれた
ありがとう
ありがとう
感情の振り幅が広い私だから
…面倒くさいよね

遠くから眺めることにしたよ
辛いけれど
あなたを見ていたかった

あれ？
あなた…すごく…泣いてる…
隣にいた人は
泣きじゃくるあなたを置いて
どこに行ったの？

見ていられない

大雨だね、あの日と同じ
辛いときは
私もあなたも
空を泣かせるのね

待っててね
去るように言われた私だけど
誰より早く駆けつけるよ

あなたが喜んでくれたから
私は歌も詠むようになったの

私の気持ちを
言の葉に乗せて
全力で紡いだ三十一文字

届けにいくよ

必ず
あなたを助けてみせる

ずっとずっと見ていたの
あなたのことが大好き
そう想い続けた日々
近づくことなど叶わない
そう思っていたのに
突然の出来事
あなたがラブレター募集を始めた
最初はゲーム感覚だった　
匿名だから
あなたと話をしているようで
とても楽しかった
たくさんたくさん話したの
そうしたら
強いあなたの孤独に気付いた
私は薬剤師じゃないから
薬のことはわからない
ベンゼン環なんてわからない
論文すら読んだこともない
そんな私が紡ぐ言葉は
有益なものではないけれど
あなたを心から救いたい
励ましたい
応援したい
その気持ちはこの界隈の
誰よりも
君に伝えられた
私は勘違いして君を愛したこともある
ごめんね
今は距離感見つけたよ
だけど
いつまでもずっと一緒にはいられない
離れなければ
それなのに
君は私を求めているの？
大丈夫
ずっと見てるよ
恋愛感情はもうないけれど
私は
君のこと
詠い続ける
何かあればすぐ
詩を送るね
私は君に惹かれたまま
結局逃げられない
離れられない
君も
そんな私から
逃げられない
いつまで続くかわからない
この関係
君が私を忘れても
私はきっと忘れない
怖い思いをしたこともあるけど
君に出逢えてよかった
出逢ってくれてありがとう
君が幸せであるよう
遠くからずっと祈り続ける