快晴は空の表情のひとつ
笑顔は人の表情のひとつ
ずっと同じでは居られない
世間は常に晴れていること
常に笑顔でいることに価値があると言うし
そうであれと言う
いいじゃないか
たまには不安に押しつぶされたって
いいじゃないか
たまには誰かを疎ましく思ったって
いいじゃないか
たまには不満を口にしたって
それもまた自分の表情のひとつなのだから
今この瞬間の感情を受け入れることは
自分を否定しないことと同意だ
いいじゃないか
今日位はみっともない自分で
それでこそ真っ当な人間だ
遠くの空へ
あなたが見ている人は
あなたを見てくれていますか?
晴れた日の清々しい碧を。
雨の日の灰のような闇を。
あなたに浮かぶ綿菓子のような白を。
あなたを裂く神々しい稲妻を。
あなたが黄金や朱色に染まる瞬間を
見てくれていますか?
全てがあなたの一部であると受け入れ
見てくれていますか?
人間関係が壊れる理由は
いつだって言葉足らず
気恥ずかしく言葉に出来なかった愛情
痛みが深く言葉に出来なかった悲しみ
恐怖で言葉に出来なかった不安
僕はただ伝えれば良かった
言葉にできない程に愛してる、と
言葉にできない程に傷付いた、と
言葉にできない程に怖いんだ、と
僕はただ伝えれば良かったのに
僕たちが知らなくてはいけないこと
誰よりもずっと優しいあの人の沢山の傷跡
誰よりもずっと明るいあの人の深い闇
誰よりもずっと前向きなあの人の途方もない不安
僕たちが知らなくてはいけないことは
それでもあの人は
誰よりもずっと
優しく、明るく、前向きであるということ
星は暗闇でしか輝けないし
虹は雨の後にしかかからない
もうダメだと、もうやめたいと
今までの人生で何度思っただろうか?
居なくなりたいと、生まれて来なければ良かったと
何度思っただろうか?
そしてそんな夜を何度乗り越えて来ただろうか?
大好きな人が離れて行った日も
大切な人に裏切られた日も
僕たちは生きてきた
立ち上がれない位に打ちのめされた日も
後悔しきれない程の罪悪感に呑み込まれた日も
僕たちは生きてきた
今が最後の日にならないように
これからもずっと
心の中に小さな光を宿せますように
これからもずっと
心の中の小さな光を信じられますように