銀鶏

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1/20/2025, 1:32:35 AM

君をずっと見てきた

少しだけ、遠く離れた場所から。

誰かの言葉に、態度に、視線に
もう振り回されることはない

笑われたり、蔑まれることもない

君は誰よりも不器用だった
その優しさがいつも空回りしていた
だけど君は、誰よりも真っ直ぐに生きてきた

気付いていたよ、誰も気付いていなくても。


君をずっと見てきた

今はこんなにも、近くに居る。

「迎えにきたよ」
君はゆっくりと目を瞑る

それはまるで何も知らない
無邪気な子どものようだった

「この歌、知ってる?」
君は嬉しそうに口ずさむ

傷だらけの君が
あの日はとても眩しく見えた

熱を帯びたまま二人は手を繋ぐ
そして隣を歩く君にそっと語りかける

「もう一度、歌の続きを聴かせてよ」


#ただひとりの君へ

1/16/2025, 2:22:56 PM

あなたは人前で泣くことはなかった。

それが強さだと教えられてきたのだろう

でもね、僕は知っているよ

嬉しいとき、悲しいとき
ちゃんと涙を流せる人だということを

人間なんて欠点だらけの生き物だから
その弱さを隠さなくてもいい

溢れるものを堪えなくてもいい

どうか、忘れないで


#透明な涙

1/12/2025, 3:34:32 PM

顔も名前も思い出せない
あなたと出会った場所は夢の中だったから

目を瞑れば、もう一度会えるだろうか。

あの日と同じように
私を待っていてくれるだろうか

そんな淡い期待を抱きしめて
今日も私は眠りにつく


#あの夢のつづきを

1/9/2025, 2:13:14 PM

それは宇宙からの贈り物であり
触れることの出来ない神様の宝物

何もかも欲しがる僕たちは
ついに空にまで手を伸ばそうとする
人間が手にするには、あまりにも勿体無い

その輝きが照らす先にあるものは

真っ暗な夜だ

夜を孤独にしないために彼らは輝き続ける

それぞれが呼応するかのように
散りばめられた星のかけらたちは
その手を繋がなくとも光を放つ

そして彼らは小さく呟いた

「 夜明けまで、あなたを一人にはしない 」

1/7/2025, 2:05:59 PM

初めて自転車に乗れた日
自然と笑顔になれたのを思い出す

背中を押してくれた手が離れたとき
前に進んだのは自分の意志だと気付く

優しい声が少しずつ離れていく

だけどもう怖くない
真っ直ぐ進めなくてもいい

あなたの手が離れても
追い風がそっと背中を押してくれるから

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