君をずっと見てきた
少しだけ、遠く離れた場所から。
誰かの言葉に、態度に、視線に
もう振り回されることはない
笑われたり、蔑まれることもない
君は誰よりも不器用だった
その優しさがいつも空回りしていた
だけど君は、誰よりも真っ直ぐに生きてきた
気付いていたよ、誰も気付いていなくても。
君をずっと見てきた
今はこんなにも、近くに居る。
「迎えにきたよ」
君はゆっくりと目を瞑る
それはまるで何も知らない
無邪気な子どものようだった
「この歌、知ってる?」
君は嬉しそうに口ずさむ
傷だらけの君が
あの日はとても眩しく見えた
熱を帯びたまま二人は手を繋ぐ
そして隣を歩く君にそっと語りかける
「もう一度、歌の続きを聴かせてよ」
#ただひとりの君へ
あなたは人前で泣くことはなかった。
それが強さだと教えられてきたのだろう
でもね、僕は知っているよ
嬉しいとき、悲しいとき
ちゃんと涙を流せる人だということを
人間なんて欠点だらけの生き物だから
その弱さを隠さなくてもいい
溢れるものを堪えなくてもいい
どうか、忘れないで
#透明な涙
顔も名前も思い出せない
あなたと出会った場所は夢の中だったから
目を瞑れば、もう一度会えるだろうか。
あの日と同じように
私を待っていてくれるだろうか
そんな淡い期待を抱きしめて
今日も私は眠りにつく
#あの夢のつづきを
それは宇宙からの贈り物であり
触れることの出来ない神様の宝物
何もかも欲しがる僕たちは
ついに空にまで手を伸ばそうとする
人間が手にするには、あまりにも勿体無い
その輝きが照らす先にあるものは
真っ暗な夜だ
夜を孤独にしないために彼らは輝き続ける
それぞれが呼応するかのように
散りばめられた星のかけらたちは
その手を繋がなくとも光を放つ
そして彼らは小さく呟いた
「 夜明けまで、あなたを一人にはしない 」
初めて自転車に乗れた日
自然と笑顔になれたのを思い出す
背中を押してくれた手が離れたとき
前に進んだのは自分の意志だと気付く
優しい声が少しずつ離れていく
だけどもう怖くない
真っ直ぐ進めなくてもいい
あなたの手が離れても
追い風がそっと背中を押してくれるから