桐島乃蒼

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9/25/2022, 3:25:52 AM

手に入れてもどうせいつか変わってしまうなら、
形の無い永遠が欲しかった。

2022/9/25:形のないもの

9/24/2022, 3:16:45 AM

家の隣には小さな公園があって、帰り道にはいつもその横を通ることになる。
錆びたブランコ、薄汚れたベンチ、湿った砂場。

その真ん中に設置された、3色のジャングルジム。
上が赤、真ん中が黄色、下が靑。

昔、一番上に上がって、誰が最初に飛び降りれるか勝負したな。

くだらない競争。リーダー格のヤツが一番最初で、俺はいつも二番手で、気の弱いあの子は最後まで降りれなかった。

あれから大分時間がたった今、もう一度上り、下を眺めた。あんなにも大きいと思っていたジャングルジムは、記憶よりもずっと小さくて狭く、昔の自分達が何を恐れていたのかもう分からない。

体がデカくなったのか。
それとも心が小さくなっちまったのか。

どちらなのか分からず、ただ空を見ていた。
灰色の曇り空に、一匹のカラスが飛んでいた。

2022/9/24:ジャングルジム

9/23/2022, 12:38:31 AM

お前のことを考えてたら、
声が聞こえたような気がして、
けれど、振り向いてもその姿は無かった。
 
行き場を失った愛は、どこにいくんだろうな。
 
ふと、思いついて、ぽつりと呟いた。
けれど、また、周りには誰もいなかった。

咳をした。
寂しい音が、部屋に響いた。
嫌になるほど静かだった。

なのに、お前のことを考えると、
いつもその声が頭に浮かんで、
その声だけが、ひどく、ひどく、うるさかった。

2022/9/23:声が聞こえた