「海へ」
人が集まる。
友だちと、あるいは好きな人と遊びに
走りに
日焼けを求めて
働くために人が集まる。
ゴミが流れ着く。
ポイ捨てられた
風に飛ばされた
豪雨で押し流され、全てを飲み込んだ終着点。
想いを叫ぶ。
やり切れない想い
人前で叫ぶことすらできない苦痛
激情。
溜まりきって溢れる感情
海は全てを飲み込んだ。
「夜の海」
蒼白く光った。
ゆらゆらと引いては押すそれは、いつも見ている光景とはまるで違う、知らない世界のようだった。
これはただの赤潮。
でもいつも聞こえてくる波の音まで違って聞こえてしまう。それほどに気持ちが昂っていた。
波打ち際だけ、いつも通り。
だからちょっとだけ、その蒼色が欲しくて歩いた。
ざぶざぶざざ、歩く。
洋服が濡れる不快感。
体が強く引かれる浮遊感。高揚感。
冷たかった。
そうだこのまま死のうと思って。
何も考えずに。
何も考えないままにこれまでとこれからの全てを考えながら。
さいご、諦めきれずに諦めた
「子供のままで」
今日が過ぎた。
明日になった。
昨日、明日と呼ばれていた それは今日になった。
そうやって、日が過ぎていく。
でも僕は時間のなかで今日も、今を暮らしている。
連続的で変化が無いように見えて、
本当は何もかも違う。
あのときのままではいられなかった。
「楽園」
あぁぁ幸せだ。
なんて良い場所なんだろう。
こんな場所にずっといたい。楽しいな。
なぁ、こんな場所があると思うか?
現実はこうだ。
毎日粉になるまで頑張っても上には上がいて、劣等感抱えて、人に合わせて疲れて疲れ果てる。
同調圧力に押しつぶされて、秩序とかいうふざけた便利な社会。
もう嫌になって泣いて、ちょっといいことがあって、過食して嫌になって、褒められても上手く受け取れなくてモヤモヤする。
そんなことの繰り返し。
楽園にいっても、変わらない。
人がいたら疲れて、人がいないと寂しくて。
どうせ頑張るし、そうじゃないとつまらないんだ。
現実はかなりゴミだけど、
ゴミに揉まれて生きるのもきっと人生。
「雫」
みんながみんなして、仲良さそうに群れる。
群れるのが当たり前。
集団は優先されて当然で、群れないお前は負け組。
そんな空気が嫌いだ。
本当は、群れの中で全員仲良しなんてそうそう無くて、
1人が怖くて必死に笑顔を作ってる。
馬鹿みたいじゃん。
確かに自分が流されて辛くても安心できるかも。
でも雫は、それだけで綺麗なんだよ。