夜中に寂しいと言って君は会いにいくと言った
あの夏のわたしは最強だった
失恋したけど
強がりだから泣いてやらない
あんたなんか好きじゃなかった
弱さゆえの遠吠え どうせ負け犬
うるさかったら成功よ
あんたなんか好きじゃない
わたしを選ばないなんて趣味が悪いだけ
わたしの良さを解らないなんて偏差値が足りない
そんなやつ要らないわ
要らないもん
要らないものがなくなっただけ
すっきりし過ぎて泣いてるのよ
役になんて立たないけど 好きなオモチャだったの
わたしが一人の部屋で寂しかった頃
あなたは可愛い彼女と生活してた
こちらが喉から手が出るほど求めたものを
やすやすと手に入れて甘やかにキスしてた
わたしの部屋はがらくたまみれ
残りかすのような身体
あなたはしばらくして彼女と別れ
タバコを買うような気軽さでわたしを誘ってきたけれど
許せるわけがなかった
わたしの夢は渇いたままなの
使い古しの技術などうれしくないの
わたしもかつては瑞々しかった
だれも触れないまま
あなたはまたあの彼女を誘えばいい
そしてどこかへ駆け落ちでもしてしまって
わたしに自由な町をちょうだい
10年後もみんないる
そう思ってた
友だちも家族も
あの店もあの道も
相変わらずだねって笑えるものだと
そんな年寄りなわけじゃない
だけど集まりは特別な日になった
あのころのいつも通りとか
いつもの顔ぶれとかは
ぜんぶそのままにはならなくなった
今がかけがえのないものだってしってるよ
いやというほどしってるし
ありがとうって伝えるけど
こぼれ落ちていくときはくるよ
後悔しないようにって尽くすけど
後悔なんてしちゃうもんなんだよ
強欲ってわらわないで
大事なものが多いだけだよ
さよなら さよなら
あなたがわたしのそばにいる
ゼロの距離
ここで時間が止まればいいのに
過去も未来もどこかへやって
いちばんシンプルでいられたらいいのに
もう何も成したくないのに
あなたさえいれば
このままでいれば
さびしくないのに
さびしくさえなかったら
ほかになにも望まなくていいのに