愛を注いでも、三分待ったぐらいじゃダメです
カップラーメンはお湯を注いで三分でできたりするけどね
気長に待つことが大事なんです
あと、注ぎ続けないと意味がありません
大変ですね
しかし、カップラーメンでは得られないものがそこにある!
心の栄養は愛を注ぐことで摂取可能!
大切に注げば、とても美味なものができあがります
舌ではなく心で味わうのです
心が満足感に包まれます
しかし、満腹にはなりません
心は満足感があっても、これ以上入らないなんてことにはならないのです
心の栄養というのは、愛です
愛はいくらでも心に入ります
そして愛を注ぐと自分に愛が返ってきます
お互い愛を注ぎ合って、幸せになりましょう!
私は日曜朝あたりにやってる感じの番組に出てきそうな戦士
ナビゲートしてくるよくわからん不審な生物によると、仲間同士、心と心が重なり合うと、秘められた本当の力を発揮できるらしい
抽象的でよくわからないけど、仲良くなればいいってことでしょ
まさか仲間と同じ気持ちとか、一心同体レベルで心がシンクロするみたいなことじゃないよね?
ていうか、心と心を重ねるとか言ってるけど、相手の気持ちなんて本人じゃないとわかりようがないし
仲良くできるのは嬉しいけど、お互い考えてることがわかるとか、お見通しとか、不気味すぎるでしょ
よくそういうシーンアニメであるけど
私は、いや、人はみんなもっと複雑な感情を持ってるんだから、ある程度推測はできてもお見通しなんてありえないと思うんだよね
だからたぶん、心と心を重ねるって、そんな大したことじゃなくて、協調性があって、お互いに絶妙な距離感で付き合って、連携が取れればいいってことじゃないの?
まあ、仲間のことは好きだし、居心地いいと思えるから、それでじゅうぶん秘められた本当の力とやらを出せると思うよ
「大変!心と心の絆のつながりが弱くて力が発揮できてないキャロン!」
は?
私か!?私のせいなのか!?
な、なんか、私の光だけ弱いんだけど!?
でも友情は感じてるよ!?
そりゃあ、私はみんなの深い部分までズカズカ入り込もうと思ってないし、干渉しすぎないでほしいと思ってるよ?
でも普通そうじゃん!
親兄弟じゃないんだからさ、そんな深入りしたくないし踏み込んでほしくもないでしょ!?
あれぇー?
みんな重くない?
友達ってそんな重かったっけ?
ってことは私以外みんな仲間のことがとてつもなく好きで、なんなら自分が傷つくことがあっても守りたいみたいな感じに思ってる?
しかもみんな、やっぱりね、みたいな、半分呆れてるような笑顔を浮かべてるし
えっ、私の考えとかわかっちゃう感じ?
私の心のプライバシーは?
私以外明らかに心と心が重なってるよ
だって眩しいくらい輝いてるもん
あの、やめて
慰めるみたいに肩をポンポン叩かないで
抱きしめながらよしよしみたいに頭さするのやめて
そんな友達がほしいのに強がって友達なんていらないみたいなこと言ってる子を温かい目で見るみたいな眼差し向けないで
別に人間不信とかじゃないから
みんなより友達との付き合い方が淡白なだけだから、平均的なだけだから
もしかして、平均的じゃない?
私、冷淡?
あー、なんていうか……これからはもう少し友達のこと、大切にしてあげようと思いました
平静をよそおってるけど、心臓バクバクですよ
何でもないフリしてますけど、驚愕してますよ
友達が動画を見ているんですけどね、画面を見るに、再生回数平均100程度の私のチャンネルを登録してるんですよね
どんな確率ですか
見た感じ、私だと気付いてないみたいです
バレたら恥ずかしいので絶対に私のチャンネルだとは言いません
何が友達をチャンネル登録させるに至らせたのか気になりますが、とてもじゃないけど聞けません
バレるから
とか考えていたら、あろうことか、友達が私に私のチャンネルを紹介し始めました
変な動画だけどクセになって超面白いそうです
やめてください、顔から火が出ます
対応に困ります
何でもないフリも限界があるんですよ
なので紹介を中止してください
熱心に語ってますけど、私にどうしろっていうんですか
そのチャンネル、私のなんですよ
旅の仲間は僕含め四人である
勇者の僕と、魔法使い、シーフ、僧侶
僕達は王様から魔王を倒せと言われたわけだが、四人である
王国からは領地防衛のため騎士団は動かせないらしい
そして魔王が率いるのは軍
人より身体能力の高い魔物の軍
もう一度言うが、仲間は僕含め四人である
四人である
四人の人間が人より身体能力の高い魔物の軍と魔王に挑むのである
ところで、勇者は勇気ある者の中で、聖剣に選ばれし戦士が授かる称号だ
勇者の勇は勇気の勇であって、蛮勇ではないところが重要だ
つまり、僕は勝ち目のない戦いに挑むべきではない
そこで思い出してほしい
仲間は四人
これ以上は謎のパワーで増えないらしい
謎のパワーとはいったい……
で、相手は人より身体能力の高い魔物の軍
ちなみに、軍というのは超簡単に言うと、ものすごい数の兵士で構成されている組織である
何度もしつこく言ってしまって申し訳ないけど、つまり、王様は四人の仲間でものすごい数の兵士を倒して魔王も討ち取ることをお望みなのだ
僕はここまで付き合わせた仲間の顔を見ることができない
王様から話を聞いた仲間たちがどういう顔をしているか、想像がつくからだ
というか、たぶん僕と同じ顔をしている
王様は真面目で厳かな顔をしている
その真意は僕には見抜けない
話は変わるが、僕は自分の身は大事だが、仲間のことも同じくらい大事だ
とてもじゃないけど、敗色で塗り潰された戦いに仲間を連れて行く気にはなれない
だからどうというわけではないけど、目の前の厳かな王様は僕達四人に魔王軍と戦えと仰せだ
さて、僕はなんだか仲間と一緒に消化すべき急用を思い出した気がするので、王様には悪いけど、ちょっとこのくらいで失礼させてもらおうかな
手を差し出してきた
手を繋いでってこと?
え?繋ぐの?
いや、まだあまり心の準備ができてないんだけど
ものすごく恥ずかしいんだけど
でも繋ぐよね
普通繋ぐよね
むしろ繋がないでどうするって話だよね
じゃあもう繋ぐ!
あー、ちょっと手が震えてるかも
ちょっと落ち着いてからにする?
けどあんまり時間かけると気を使わせるよね
よおし、やるぞ
繋いじゃうぞー!
あっヤバい、あったかい
絶対今顔真っ赤でしょ
体がやけに熱いし
だけどなんだろうね、嬉しい感じがする