いつも同じ曜日に
同じ香水を買うその人は
同じものを買っているのに
いつも楽しそうで
その顔を見ていると
接客を頑張ろうという気になる
こちらも笑顔になれる
同じ香水を毎週買うというのも不思議だけど
そんなに気にはならない
けどある週から
その人は姿を見せなくなった
毎週欠かさず来ていたのに
どうしたのだろう
遠くへ引っ越してしまったのだろうか
少し寂しさを感じていたある日
いつも来店していた曜日
あの人が久々にやって来た
それも三人で
どうやら一緒の二人は妹のようだった
久しぶりなその人は
しばらく故郷に帰っていたのだという
これから妹たちと三人で住むから
お気に入りの香水を紹介しに来たのだそうだ
その日から
その人はまた楽しそうに
同じ曜日に来るようになった
普段は一人、そして時々三人で
私はより一層の笑顔で接客を頑張ろうと思った
だけど毎週同じ香水を買う理由は結局わからない
そんなに気にはならないけど
言葉は最も簡単に想いを伝えられる
けれど、言葉だけが想いを伝える手段じゃない
表情、動き、行動、作品
人は様々な方法で想いを伝えられる
だから、言葉だけに頼らなくていい
君を勇気づけたい、元気づけたい
君に大丈夫だと伝えたい
君には味方がいるのだと伝えたい
きっと今、この想いを言葉にしても
うまく伝わらないだろう
言葉はいらない
ただ、君の手を優しく握る
君に、この想いを伝えるために
何の連絡もなく、突然の君の訪問。
いつものことだ。
君はいつも突然来ては、僕を遊びに誘うのだ。
予定がある時はちょっと迷惑だけど、暇な時は僕も誘いに乗ってついて行く。
君は行き先を言わない。
僕の分の必要なお金を払ってまで、君はサプライズしようとする。
なんだか悪いけど、君はとても楽しそうだ。
君の行く先はいつも面白い。
僕を思いも寄らないところへ連れていき、世界を広げてくれる。
自分では絶対に行かないであろう場所でも、君に教えられた場所は常に楽しい。
君のおかげで日々を楽しく過ごすことができる。
でも、いつか僕も君を驚かせられるようになりたい。
君からもらってばかりじゃ悪いし、僕もサプライズを仕掛けるのは好きだから。
傘を差しながら、一人雨に佇む
バスが来るまで、まだしばらくかかる
あいにく誰かと一緒なわけではないから
会話をするでもなく、ただ待つ時間が続く
沈黙の中、雨の降る音だけが聞こえる
少し強めの雨だから、すぐ止むこともないだろう
普段なら嫌なはずの雨だけど
じっくり聴くと、この雨の音がなかなか心地いい
こんなに集中して雨の音を聴いたことはなかった
今まで気にもしなかった音
けれど、意識して聴いてみると、いい音だと感じる
自分が雨の音を好きだなんて思いもしなかった
バスはまだ来ない
今はこの音を楽しんでいよう
私の日記帳は
明日からのページは空白だ
すでに色々なことが書かれている
今日までのページとは違って
それらのページには何も書かれていない
明日はまだ来ていないのだから当然だ
未来のことは誰にもわからない
それはつまり
たくさんの可能性に満ちているということ
明日はどんなことを体験できるのか
このページにどんな文が書かれるのか
どんな可能性が選び取られるのか
心を踊らせながら私は眠る