手紙を読んだ後、私はもう見えなくなった彼を追いかけた
「信英!」
キュッと音を立てて足が止まる
驚くほどに感情のない顔がそこにあった
「...ん」
「……カップルって、一度はケンカシタホーガ
ナカフカマルカライイトオモイマス」
緊張して変に棒読みになってしまった
顔から火が出そう
「……っ、、ぷ、ははははは!香織らしい」
信英は、澄んだ青色の海のように笑っていた
「は〜疲れた」
「なんでだよ笑」
「緊張して笑」
~あなたが笑う顔は
まるで澄んだ青色の海のよう〜
2人でアイミミをしてその曲を聴いた時、そんな歌詞があった気がする
“ラブソング”
学校で
「おい」
緊張が滲んだ顔で彼が
青色の手紙をつき出してきた
混乱してぼーっとしていると
ドンッと私に押しつけて走っていってしまった
手紙を開くと
【昨日はごめん
俺がクズだった】
と下手な字で書いてあった
※前回の続き
彼
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14:15『今日試合で疲れただろうし明日家でのんび 既読 りする?』
『水族館行きたくないの?』14:17
既読 14:17『違う疲れてるかなっておもっただ
け』
『毎回そう言うよね』14:18
14:18 既読『待ってほんとに違うから』
『そ』14:36
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彼は、その日から目を合わせてくれなくなった
“すれ違う瞳”
※この話しはフィクションです
この青い空に
あなたの顔が浮かぶ
あなたのくしゃっと笑った顔が
私の心を踊らせて
嫌なことも
忘れさせてくれる
“青い青い”
甘い香りが鼻をついた
彼の香水の香り
「香水つけてるの?」
「そうだよ。…嫌…?」
少しだけ彼が離れた
私は袖をきゅっと引っ張って
「そのままが好き」
彼の顔がポッと赤くなった
そんな気がした
“sweet memories”