君と勉強会。久しぶりに2人きりになれて嬉しかった。
消しゴムが思ったよりも消しにくくて、文句言ってたら
「ほんとに??笑笑」とかいって、私の消しゴムとシャーペンを借りて遊んでた。思うより、消せた。
「え?!あれ、うそだぁ」「ちょ、おねえさん〜笑笑」
「ちがうって笑笑」
「上着、落ちてたよ。掛けとくね」と言って、椅子に掛けてくれた。
凡ミスして落ち込んで、顔を覆っていたら、
「ふふっ笑笑」って笑って、こっちを見てきた。
時間が終わったても、話しかけたり、身長差のある私たちが近くに並んだりしてね。
帰り、君は友達と話していてまだ帰らない様子だった。
私は何もなかったから、先に帰ろうと思って教室のドアを開けたの。その時、なにか引き留めるようなものを感じて、君を見た。そしたら、同時に目があった。そしたら、君が頭の上で手を振ってくれた。私も振り返した。
友達は少ししたら気づいたから、秘密なやりとりみたいだったの。手を振りあえるような関係に歓喜しつつも、
君のカレンダーに、彼女との記念日が書いてあって、プラマイ0だ。行きの風はなんとも思わなかったのに、帰りの風はうざく感じた。
風のイタズラはすごかった。
君がいつもより遅めに来て、
「やっぱり黒だよね」「そうだよね。結構黒」
「青なの??」「うーんここぐらい?」と、腰を曲げて、頭を見せやすくしてくれた。
「課題でさ、この量のスピーチしなきゃいけないの」
「えっ!えぐ!無理無理無理やりたくない」
「一月末までなの」「え、もう無理じゃん。えぐ」
って言う会話をした。その時、私が椅子に座っていて、
君がロッカーに寄りかかりながら話していた。
私が真上で覗き込んでいて、私が上を向いて、若干上目遣い…あざとかったかな、?
まだ慣れない君の髪を見て、ドキドキしながら、
歓喜の涙を心の中で流した。それは透明な涙だった。
今日は、クラスで自習の時間を取っていた。
君は昨日髪を染めてきていて、アッシュグリーンとか言ってたくせに、結局見たら青やんけ!!!!!なんでやねん!!!!!
でも、なんかドキドキしちゃって、しばらくは見れずに過ごしてた。なんか、緊張してきちゃって……
君は、先生たちと話していたから、先に帰ることにした。君のクラスまで行ったけど、長くなりそうだった。
けどね、君がでてきたのその時。
「どーいーて。……なんか、違くない??」
「えちがうの!ほら!少し青入ってるでしょ」
「んー少しね」
「まじで楽しかったー!でも、あなた今日なんもないでしょ??」「今日は、ぼっちなの。暇だからね」
「なるほどね。俺に会いにきてくれたのか〜」
「…?んー、一理あり」
「コート取りに行ってくる」
一緒に校門をでた。下駄箱の扉を押さえてくれた君は相変わらずの優しさだった。
そこから、初めて一緒に帰ったの。君は自転車だから、引いてくれてね。車道側も歩いてくれたりね??
その時歩いた道はいつもより輝いていて、近く感じた。まだ見ぬ景色が広がっていた。
髪、ちゃんと似合ってるって、あの子みたいに言えたらもっとよかったなぁ……
君は、特別。
好きっていう言葉に縛りつけたくないぐらいに。
周りと話すとき、君のこと思い出して、よく私が君の話をするから、もう皆気づいてるかな。
彼女からしたらさ、こんな距離感おかしい奴いたら、結構嫌だよね。君は彼女を安心させたいよね、幸せにしたいよね。そしたら、私は、誰に幸せにしてもらえるの?
よくみる漫画でも、当て馬は本当に幸せになりたい人とは幸せになれない。そうでしょ??
私には、いつの日かみた夢の続きがない。
その続きのページは、誰が描いてくれるの?
君と、今日も勉強会。事情があって、いつもより長い時間だったの。「私これやるから」「あ、ならここでやれば??」「え、いいの?」「うん。このあとなんもないから」君は帰るのにも関わらず、私のために居残ってくれた。「結局こんな時間だよー、明日のために早く帰って寝よ!」「あ、そうだよね!結局どうすんの?」
「んーグリーンアッシュかな。夏には黒に戻すからこの半年で緑→青→黒って感じ」私たちは、夏からまた忙しくなるから会えないのかな…とも考えた。
でも、君の話している空間は、風を取り込んでいる部屋よりも何倍も暖かかった。
「どうしたの?誰か待ってる?」
「ううん。外寒いから、」
「あなた、それで来たの⁈⁉︎寒っ」それは、ニットを一枚羽織っただけ。
「車だったからね」「うわ、いいなー」
「あの人たちなんの話してんの?」「お土産の話。先生から貰ったんだけど、すごい美味しかったよ」「えーいいなぁー」
それで一緒に学校をでて、校門で別れた。
君は私と反対の方向に帰っていくものだと思っていたら、反対車線の横断歩道に君がいた。相変わらずの爆速自転車。ふふっと声をあげながら夜道を歩いていた。