中学生のとき。私は運動部だった。
同期は自分を含め三人。しかも全員価値観が合わないと来た。
唯一共通点があるとすれば、先輩が大好きなことと、部長になりたいこと。
それだけだった気がする。
入部初日から私は部長であるY先輩を心から尊敬していた。もちろん、今でも尊敬している。
Y先輩には私が部長になりたいということも伝えていた。
二年生になったとき、後輩が入ってきた。
バラバラだった三人は、後輩が入ってくることでよりバラバラになっていった。
そして協力しなとほぼ毎日怒られた。
「君たちを部長として選べないかもしれない」とY先輩に言われた。
ショックだったが、周りを見れないのが駄目だと更に頑張った。
だがそれが空回りだったのかもしれない。
事件は起こった。
私の不注意でY先輩を泣かしてしまった。
言い訳をすると、怒られすぎた。情報量が多くて、改善点が多すぎてパニックだった。
次何すればいいかわからなくなってきて、Y先輩に聞きに行くと「ちょっと待って」と言われた。
それで色々あって、「何もわかってない」と泣いてしまった。
私と同期を注意していたのはほとんどY先輩だった。
きっと精神的に追い詰められていたんだろう。
同期の一人は、周りが見れるんだが後輩と仲良くしすぎた。上下関係を狂わせるほど。
もう一人は消極的で部活を趣味で楽しみたい子だった。
私は一年生のときからやる気があったが周りが見れなかった。
部長に求められるものはたくさんあるが、かなり大切なのは周りを見る力。
それが不足している私は部長としては駄目だったんだろう。
休みが多い同期二人も部長候補には厳しかった。
Y先輩もどうすればいいか分からなかったんだろう。それでずっと溜めていた感情が爆発した。
今でも本当に申し訳ないと反省している。
私に周りを見る力があったなら、Y先輩は泣かなかったのだろうか。否、それだけが原因ではないか。
数え切れないほど怒られたが大好きなのは今でも変わらない。
ごめんなさいも言えなかった、今は元気にしているのか。
ただY先輩には、ずっと笑顔でいてほしい。
それだけを願うばかりだ。
エアコンを使い始めるようになった。
モコモコな服も着るようになった。
水を飲むだけで体が冷えるようになった。
手を擦ることが増えるようになった。
もう冬なのか。
今はまだだけど、いつか息を吐くと白い煙が出てくるんだろう。
夜空も、星で輝く日が増えていくだろう。
楽しみだ。