如雨露

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8/12/2022, 10:53:14 AM

君の奏でる音楽


冷蔵庫を開ける。
さて、今日のご飯は何にしよう。

豆腐と、乾燥わかめが、どこかにあったはず。
実家から貰った手作り味噌も、いい感じに発酵が進んで、私好みだ。

消費期限が明日までの豚バラ肉で、生姜焼きでも作ろうか。
漬け込みはしないで、パパっと作るぐらいが簡単で美味しい。
付け合せは千切りキャベツ。
袋入りでとても便利なすぐれもの。

これで完璧だろう。
炊飯器から、しゅうっと音を立てて蒸気があがっている。

私のキッチンが、一番にぎやかになる時間。


朝ごはんは、時間があればなにか食べるが。
毎朝寝坊気味なため、そう回数は多くない。

昼ごはんは、外食かコンビニか。
即席ラーメンに、冷凍食品は強い味方だ。

だからこそ、晩ごはんはしっかりと。
一日頑張ったご褒美に。
でも、食べすぎには要注意。


窓際に置いた、iPadからお気に入りの動画を流しながら。
聴こえてくるのは、好きな声。
軽快なメロディーや、ちょっと寂しげな音楽も。


料理で動く手も、足も、すこしリズムにのりながら。

今日も美味しいご飯が、できそうだ。

8/11/2022, 11:22:48 AM

麦わら帽子?


公園の中。ブランコの近く。
フラッと立ち寄ったその場所に、ちょんっと落ちていた。
砂場と滑り台、鉄棒。いくつかのベンチと水飲み場。
なんてことない小さな公園。

少し茂った雑草と、色あせた遊具の色。
所々剥げたペンキ。
少しだけ手入れされた花壇には、花が咲いていた。

久し振りに訪れたそこは、昔見たときより狭くて、小さくて。

何をして、遊んでいたんだったか…。
遠い記憶すぎて、うまく思い出せない。

拾ってふれた麦わらの感触も、久し振りにさわるものだった。

チクチクと肌を刺すものだから、あまり好きではなかったけれど。
こんがりとしたような、藁の匂いは好きだった。


さて。落とし主は現れるのか…。


ブランコの上に置いてみる。
風で飛んでしまうかもしれないが。
持ち主を待つのに、地べたよりは良いだろう。


私が、昔使っていた麦わら帽子は。

まだ、何処かにあるだろうか?




8/11/2022, 6:58:51 AM

終点。

ふと、考えることがある。

終わりとは何なのか。
何をもって終わりとすのるか。
ぼんやりと見つめる目の前は、いつもの街並みが流れていくだけで。
身体に感じる振動も、揺れもいつもと変わらない。

何かを始めるとき、また、終わりもいつかくる。
どんな道も、走り続ければ、いつか道の終わりは来るだろう。
勿論、どう走るかで距離も時間も長くもなれば、短くもなる。

物も、人も、世界もきっといつか終わるときが来るだろう。

自ら決める終わりもあるはずだ。
悔いなく終わるのか。
諦めて終わるのか。

自分の意志とは関係なく終わってしまうのか。

何処を最後と決めるのか。
意味を見いだせなくても考える。

私にとって、終わりはいつ来るのだろう。


『次は、終点……駅です。お乗り換えのお客様は…の……ホームへ…………。』


あぁ、とりあえず今日の晩御飯を買いに行こう。