誰もがみんな、無理をして生きている。
無理をせずに生きるなんてことは人間には不可能だ。
誰もがみんな、好き嫌いはある。
好き嫌いがないという人はあまり居ない。
誰もがみんな、生きている。
自然死は歳が取るのを待つしかない。
♪僕らはみんな生きている
生きているから笑うんだ
僕らはみんな生きている
生きているから悲しんだ
手のひらを太陽に 透かしてみれば
真っ赤に流れる 僕の血潮
みんな1回この歌を聞くといい。
子供の頃はただただ元気に歌っていた記憶があるが、大人になると少し考えさせられる気がする。
34テーマ【誰もがみんな】
花束を買いに花屋へ行くと、昔の同僚がいた。身長は相変わらず高く、声が少し変わっていたぐらいだった。
「あ、久しぶり。今日は誰宛?」
「今日は親宛。」
「親御さん元気?」
「少し腰が本当にやばくなってきたらしいけど。それ以外は異常なし。」
「おお〜良かったじゃんか。病気とかは?」
「病気はね、全然大丈夫だって。」
「おばさん宛?おじさん宛?」
「2人共でお願いできるかな。」
「セルフ?」
「お前のおすすめので宜しく。花とか全然分からないから。」
「おーけー。じゃあ奥で待ってて。休憩所あるから、そこで休んでて。長旅疲れただろ?」
「ありがとな。」
「おーよ。お前には借りがあるからな。」
奥に入ると自販機があり、そこでコーヒーを買った。周りにはぽつぽつとお客さんが居たが結構静かだった。
自分の順番が来て、番号を呼ばれた。
表に行き、お袋と親父の花束の区別の仕方を教えてもらった。花束を貰い、お金を払い、店を出た。
数分歩くと実家に着く。ピンポーンとチャイムを鳴らし、お袋がでてきた。
「まぁ〜!大きな花束!!誰にあげるの?」
「お袋と親父。」
「私にくれるの!?私のはどっち?」
「こっち。」
「ありがとう!」
お袋は飛び跳ねるぐらい喜んでいる。膝を痛めないか心配だ、。
「親父は?」
「いつもの部屋にいるわよ。」
「ありがとう。」
いつもの部屋というのは、亡くなった兄の部屋。コンコンとドアを叩き、入れ、と親父の声が聞こえる。
「親父、」
「なんだ花束は。とうとう婚約者でも出来たのか?」
「これは親父宛。捨てるか飾るか親父の好きなようにして。」
親父は座布団から立ち、花束から1本抜き、兄の仏壇に置いた。それは兄の愛してやまないと言えるほどの好きな花だった。
「今日は泊まっていくのか?」
「ああ。兄貴と一緒に居たいからな。」
「好きにしろ。」
33テーマ【花束】
大きな時計塔の地下には少し不気味なレストランがある。
時計塔の針が3時を指したら地下に繋がる階段が開くという構図になっている。夜中の3時とおやつの時間15時に完全に開くらしい。自分は入ったことは無い。
だけど、友達が入った時は〈空気が不思議で少し鳥肌立った〉と言っていた。
それで通じなかったから、今日はおやつの時間15時に行く。
とか考えながら歩いてきたら問題の扉があるという壁の前に来た。
手首の時計を見て時間になるのを待った。
15時になった。周りに変化はない。だけど、壁に取っ手が着いていた。さっきまで着いていなかったものだ。
手を伸ばし、取っ手にかける。押すのか引くのか……正解は押しだった。入った瞬間外は15時なのに夜中に感じた。
奥に進んでみると、階段があった。それをゆっくりと下りて行った。目の前に明るい扉を見つけ、取っ手に手をかけ、引く。
「あ、いらっしゃい。」
扉が空くと同時に、青年が顔を出す。自分も挨拶をして席に座る。周りを見渡していると声をかけられた。
「メニューはどうなさいますか?」
「あ、えーっと、」
「こちらをご覧下さい。お客様はこのお店に初めていらっしゃいましたよね?」
「あ、はい、そうです…」
「では、こちらのメニューを見てください。メニューに無いものでもお作りしますので、何なりと申し付けください。」
「ありがとうございます、、」
青年はそう言ってレジ辺りに戻った。周りにほかのお客様はいない。でも、忙しそうにしていた。〈幽霊でもいるのか…??〉と思いながら注文して腕時計を見る。現在の時刻は18時。
「えっ、18時!?」
「お客様どうなさいました?」
タイミングよく青年登場。
「いえ、なんでもないです、」
「左様でしたか。御手洗はあちらにあります。失礼致します。」
この時間の差は何なんだ…?少し理解が追いつかない。あの青年に時間を聞くと、時計通り18時と答えた。
このお店は一体…??
32テーマ【時計の針】
優しさとは、なんだろう。
「母さん晩御飯何ー?」
「今日はお刺身よ、あなたの好きなエビも買っておいたわよ。」
「んー」
俺の好きな物は昔からエビだ。エビフライも好きだし、刺身のエビも好き。でも寿司屋のエビは食べられない。昔からで、自分もよくわかっていない。
「母さん、晩御飯.........そうだ、もう居ないんだ、。」
「今日は何作ろうかな〜、」
親が離婚して母さんが出ていった。父さんはずっと仕事であまり家に帰ってこない。“仕事だから帰ってこない”というか、“他の女の人と海外に行って帰ってこない”の方が多分合ってる。それからずっと一人暮らししてる。
「お母さん、今日の夜ご飯何?」
「今日はお好み焼き。一緒に焼きましょう!」
「ん〜分かった!」
あれから2人で帰ってきて結婚することになったらしい。それからずっと同居してる。
お好み焼きは少し苦手。たこ焼きの方が好き。お好み焼きは、その女の人が先に作った料理だから、。
「母さん、ありがとう。」
「お母さん、行ってきます。」
正真正銘の一人暮らし。今日から社会人。頑張ってきます。
優しさとは、なんだろうか。
多分、当たり前にある事だと思う。
31テーマ【優しさとは】
この世界は平等で、
でも不平等でもある
この世界は公平で、
でも不公平でもある
この世界の人間は差別をしないといい張るが
実際差別をしていると感じる人は多数いる
だからこの世界は戦争が起きるのだ
30テーマ【この世界は】