七紫

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 大きな時計塔の地下には少し不気味なレストランがある。
 時計塔の針が3時を指したら地下に繋がる階段が開くという構図になっている。夜中の3時とおやつの時間15時に完全に開くらしい。自分は入ったことは無い。
 だけど、友達が入った時は〈空気が不思議で少し鳥肌立った〉と言っていた。
 それで通じなかったから、今日はおやつの時間15時に行く。
 とか考えながら歩いてきたら問題の扉があるという壁の前に来た。
 手首の時計を見て時間になるのを待った。
 15時になった。周りに変化はない。だけど、壁に取っ手が着いていた。さっきまで着いていなかったものだ。
 手を伸ばし、取っ手にかける。押すのか引くのか……正解は押しだった。入った瞬間外は15時なのに夜中に感じた。
 奥に進んでみると、階段があった。それをゆっくりと下りて行った。目の前に明るい扉を見つけ、取っ手に手をかけ、引く。
「あ、いらっしゃい。」
 扉が空くと同時に、青年が顔を出す。自分も挨拶をして席に座る。周りを見渡していると声をかけられた。

「メニューはどうなさいますか?」
「あ、えーっと、」
「こちらをご覧下さい。お客様はこのお店に初めていらっしゃいましたよね?」
「あ、はい、そうです…」
「では、こちらのメニューを見てください。メニューに無いものでもお作りしますので、何なりと申し付けください。」
「ありがとうございます、、」
 青年はそう言ってレジ辺りに戻った。周りにほかのお客様はいない。でも、忙しそうにしていた。〈幽霊でもいるのか…??〉と思いながら注文して腕時計を見る。現在の時刻は18時。
「えっ、18時!?」
「お客様どうなさいました?」
 タイミングよく青年登場。
「いえ、なんでもないです、」
「左様でしたか。御手洗はあちらにあります。失礼致します。」

 この時間の差は何なんだ…?少し理解が追いつかない。あの青年に時間を聞くと、時計通り18時と答えた。


 このお店は一体…??



32テーマ【時計の針】

2/6/2023, 10:56:29 AM