合唱曲の『大切なもの』の歌詞に
「いつか会えたなら
ありがとうって言いたい
遠く離れてる君に
がんばる ぼくがいると
大切なものに
気づかないぼくがいた
ひとりきりじゃないことを
君が教えてくれた
大切なものを……」
というものがある。
結局、大切なものって
人それぞれなんだなって思う。
エイプリルフール
・・・・・・・・・『私』side ・・・・・・・・・
3年前の今日。
彼は
空港で私を見送ってくれた。
次いつ会えるか分からなくて
不安に押しつぶされそうな私を
彼は笑顔で送り出してくれた。
「俺、別にお前のこと好きとかじゃないからな。
幼なじみのよしみでずっと
一緒にいてやったんだぞ!笑」
って言いながら。
それでちょっと笑顔になれた。
ありがとう。
私、あなたのこと
大好きだったよ
・・・・・・・・・『俺』side ・・・・・・・・・
3年前の今日。
俺は
空港で彼女を見送った。
次会えるのがいつになるのかは分からなくて
彼女はいかにも不安そうだった。
だから、笑顔で行って欲しいと思った。
「俺、別にお前のこと好きとかじゃないからな。
幼なじみのよしみでずっと
一緒にいてやったんだぞ!笑」
って言いながら。
彼女は笑ってくれた。
彼女の姿が見えなくなると
涙が俺の頬を濡らした。
泣いた。
本当は
彼女が好きだから
彼女との距離を壊したくなかったから
だから
だからずっと一緒にいたのに。
エイプリルフールにあやかって
俺は
彼女に
自分に
嘘をついた。
ごめん
俺、君のこと
愛してたよ
幸せになりたいという欲望、目標
幸せになろうという決意
幸せであるという平和
『幸せになってね』
という言葉には
相手を思う気持ちと、
自分の幸せは叶わないものだ
という
なんとも切ない意味合いが
込められていると
私は思う。
だから、
『幸せになってね』
ではなく
『お互い、幸せになろうね』
というほうが
「自分も幸せになる」
という思いを
込めることが出来ると
私は思うのだ。
何気ないふりをして
自分の心を落ち着かせる。
今からのステージが、
私の未来を決める。
今までの3年間
毎日毎日歌とダンスの練習を重ねてきた。
使えるだけの時間を全て
練習にそそいで来た。
、、、緊張して吐きそうだ、
でも、あとは楽しもう
そうだ、楽しめばいいんだ
そう言い聞かせて、
私は
マイクを握った。
映画やドラマのハッピーエンドは、
まるで
見ている人にも
生きている限り、いつかは
幸せに物語を終えることが出来る。
というような
希望を持たせているような気がする。