眠る
覚める
身体は寸分たがわぬ筈だが
どこだか変わってるように感じる自分がいる
窓を開けて朝の冷たい風を顔に浴びる
醒める
何処やらで読んだ本によると
私の体の細胞は一日ごとにまるっきり変わる
つまり別人なのだが、
脳の中での記憶が受け継がれている
故、意識は繋がったように見えるとのこと。
なんだか私が私ではないようだが
受け入れる他あるまい。
もう手に入らないだろう
そう思っていたあの感情が
再び手に入る時
天使がもとってきた時
舞台上に姿を見せた君は
私が見せたのとは異なる
でもそれでいて美しい舞で
その舞台上に舞い戻ってきた
あせまでも美しく
天からの贈り物
美麗なるその顔
類稀なるその技術
でも君はそれを欲しない
そういうやつだな君は
おかえりと言いたい
でも君は聞かないだろう
私の言葉を
星を巡る
頂きに辿り着くまで分からない感情
感動、激動、喪失感?
幾度とない夜明け
あまりに大きい星は身に余る
小さすぎると足りない
頂きの先にある楽園を目指してはしごをかける
自分だけの星
遠く遠く、さらに遠く
彼女は時空の彼方に砕け散った
深い深い時空に
ばらばらになって
名前も覚えていないし
見た目も覚えていない
ボブか、ショートか、ロングか
白い服だったような
脚は、細かった
今、彼女はどこにいるのだろう
僕の胃の中かもしれない。僕の横にいる?
それとももう居なくなってしまった?
もう誰も彼女を思い出さない
彼女の死は、僕が彼女を忘れたとき。
枯れ葉より脆い、彼女
私の記憶の片隅で、濃霧の湖に佇む彼女
彼女は誰だった?
無機質な声と重低音が脳を霧のように塞ぎ込む
これは彼女?
一緒に過ごした夕暮れのとき
オレンジが光るビルの群れ
車の風を切る音
コンクリートの擦れる音
彼と聞くと耳に残らず
のに、今はやかましいくらい耳に残れば
いまも彼の声は聞こえない
そこの湖のボートごとひっくり返って
落ちてしまえばいいのに