#冬晴れ
寒空に咲いた雪の花
珍しいものを見るように
君は呟いた
「綺麗だね」
その横顔を見ることはできなかった
陽の光のように眩しかった
私の隣に、君はもういない
咲いた霜が溶けていくように
冬の空気と共に
どこかにいってしまった
もうすぐ春がくるのだろうか
もしもそうであるならば、
私だけ冬に取り残されますように
#新年
『あけおめ』
照れ隠しのメール文
結局これしか送れなかった
最初にお前に会うのは俺がいいなんて
そんなこと、言えるわけないじゃん
音を立てては消えていく
そんな文字を眺めながら深い息を一つ
枕に顔をうずめる
俺は何を悩んでるんだろう
恋路は時に状況に左右される
プライドという汚い壁が邪魔をして、
捨ててしまいたいような劣等感は這い上がって来る
それでもお前が好きだって
胸を張って言えたなら、どんなに楽だろう
薄暗い沈黙に、体ごと委ねてしまいたい
二度寝という名の世界に入りかけた時、
スマホが小さな音を立てた
『明けましておめでとう。お正月空いてる?』
男は単純なもんだ
好きな奴の言葉に一喜一憂しちゃって
今まで悩んでたことなんて、
すぐにどこかに消えてしまうのだから
淡く染まった胸の内
一体いつまで隠しておけるだろう?
だって今この瞬間さえも
鏡の中の顔は、ニヤついているのだから
#良いお年を
1番良い年にはならなかった
でも、去年の自分よりは良い自分になれたのかな。
諸行無常、生々流転
永遠に変わらないものはそうないから
また1年、また1年と
時間は流れていく
自分で前に進むのが苦しいなら
その流れに身を任せるだけで
少しは昨日の自分とはまた違った位置にいる
来年もほどほどに、生きてるだけでいいから
#プレゼント
あの人がくれたプリザーブドフラワー
別れた後も捨てられなくて
蟠りと一緒に、心の奥に隠してた
今日はクリスマス
ドアを開けたのは新しいパートナー
君はプレゼントをくれた
子うさぎの住むスノードーム
ふわりと雪が舞う
忘れられない昔のこと
手放せない大事な思い出
隣には君がいるのに、
今まで引きずってごめん
恐る恐る口にした言の葉
君は嫌な顔一つしなかった
“今も昔も、全部含めてあなただから”
外は一面銀世界
そして隣には君がいた
『頑張れ』とか『泣かないで』って言葉が
どうしようもなく、嫌だった。
元気づけるために言ってくれてるのは分かってる。
でも、その一言が重い枷のように感じて、
期待に応えないと、ああしないと、こうしないと、
あなたに迷惑をかけないようにって
頑張って、頑張って、
また疲れて。
小学生の頃、不登校気味の友達がいた。
よく勉強を教えてた。
そのたびに友達が疲れたって言うから、
「頑張れ」って沢山励ました。
それが相手にとって一番いいことだと勝手に勘違いして
『うざい』
そう言われた。
私は腹が立ってそのまま帰った。
なんで、なんで、私は正しいことをしただけなのに。
だけど、もしそれが相手にとって不快だったら…?
自分の中では頑張ってるのに、
頑張ってないみたいに言われて…
そんなの、辛いよね。
…ごめんね。
言葉の感じ方はみんなそれぞれ違って
複雑で、難しいけれど
いつかみんなが幸せに思えるような
そんな言葉が生まれればいいな